20年前に放送された連続ドラマ『ぼくらの勇気 未満都市』(日本テレビ系)の続編となるSPドラマ『ぼくらの勇気 未満都市2017』(同)が金曜ロードショーで放送された。主演はKinKi Kidsの堂本剛と堂本光一。監督は『金田一少年の事件簿』(同)や『ケイゾク』(TBS系)などで知られる堤幸彦。
物語の舞台は、大人だけが感染する殺人ウィルスによって、大人が死に絶えた街・幕原。行方不明の友達を探すために幕原に向かった高校生のヤマト(堂本光一)は、同じくボランティアで幕原に向かうタケル(堂本剛)と知り合い、自衛隊によって閉鎖された幕原に潜入する。そこでは、生き残った子どもたちが食料や貴重品を求めて、サバイバルを繰り広げていた。ヤマトとタケルは、子どもたちを束ねて、未満都市という疑似政府を立ち上げる。
当時に放送されたのは『金田一少年の事件簿』などの10代向けドラマが放送されていた土曜午後9時枠で、10代向けのドラマとしては相当シリアスな作品だったといえる。ただ、意欲作なだけに終わらせ方には不満を感じた。冬の寒さでウィルスが死滅し、街の閉鎖は解かれる。しかし、事件を隠ぺいしようとする政府に対し、ヤマトたちは抵抗して幕原に立て籠もる。だが、最後の最後で、大事なことは大人になることだと言い、20年後に「また、ここで会おう」と言って幕原を後にするのだ。
一見、ポジティブな終わり方に見えたが、ご都合主義にしか見えず、当時はがっかりした。もともと、「大人が感染すると死んでしまうウィルスが蔓延した街で生き残った子どもたちがサバイバルする」というプロット自体、当時「週刊ヤングサンデー」(小学館)で連載されていた『チャイルド★プラネット』の盗作疑惑もあって、素直に楽しむことはできなかった(放送中盤で、作画の永福一成と原作者の竹熊健太郎の名前が協力としてクレジットされた)。
そういった意味で惜しい作品だったのだが、20年ぶりの新作となったSPドラマが面白かったのは、その後、中途半端な大人になってしまったヤマトたちが、どう過去の自分にケリをつけるのか、という話になっていたことだ。
SPドラマの舞台は現代の2017年。ヤマトは高校教師、タケルは弁護士となっていた。幕原は復興が進み、隕石(実際は政府がウィルスを培養していた人工衛星)が落下してウィルスが発生した場所には、復興のシンボルとして図書館が建つことに。しかし、その地下では、死滅したウィルスが突然変異を起こして再生しようとしていた。ヤマトたちは、かつての仲間と共にウィルスについて世間に公表しようとするが、隠ぺい画策する日本政府に脅迫される。
全文は以下にて。
情報源: 『未満都市』俳優としてのKinKi Kids|サイゾーウーマン