「Time」がなんかちょっと不気味なのは、音楽の構成にドラムス・ベース・ギターといったスタンダードな楽器が使用されてないってのもあると思うんですよね。
KinKi Kidsのレパトリーにも、プログラミング中心のトラックはいくらでも存在してきましたが、大抵ドラムマシーンが使用されてたり、ギターやベースもサンプルで補われていたけど、今回のこの「Time」に関しては、明確なドラムやギターサウンドとかがないんでね。
だから、なんか地に着いてるようで着いてない、あの独特の世界観が醸し出されているんじゃないかと。
音は重く重厚なんだけど、押し迫ってくるようなパワーや立体感がなく
次元で表現するなら2Dな感じ。
しかも、このトラックの構成も少しユニーク。
”あの時から~”の役割が良く分からない。
コーラス(サビ)なのか?
ヴァース2なのか?
ブリッジなのか?
私はコーラスだと思うんですけど、
その割にはなんか控えめ過ぎるし、地味。
地味な分、押し付けがましくなく
何度聴いても飽きないというか、聴く度に違う味がする。
その反面、”愛を受け止める事も~”からのミドル8に関しては、
この存在がものすごく突飛で、不自然な感じがしなくもない。
いや、さんざんその前の部分を聞かされてきて
この8小節だけ聴きなれてなかったからかな?
って、初めてラジオで聞いてた時はそう思ったんですが、
CD聴いても、TVで見ても、なんかやっぱり後からとってつけたようにしか聞こえなくて違和感を感じてしまうのです?!
映画や、或いはそれこそゲーム音楽のサントラ用にと、用意していたコード進行やリフがすごく受けが良かったから、そこに歌詞をつけて1曲を完成させてみた!って感じがしなくもない・・・
そういう事、良くあるんでね。
まぁ、単なる私が受けた印象で憶測してるに過ぎませんが。
TVで歌う時は、このミドル8をコーラスっぽい盛り上げで歌っていたのにも
少し違和感がありましたが、聴き慣れれば、まぁそれにも慣れるもので・・・
ただ、もしこのミドル8がなかったら、TV的には伝わりにくいですよね。
あの単調な繰り返しになるわけですから。
でも私は、あの単調な、そしてすごくムーディーで、深い霧が立ち込める中、うす暗がりの巨大な工場の沿道を衿を立てて歩いてるような、
そんな情景が浮かぶ、あの雰囲気がすごく好きなんですよね。
そういうタッチの曲のカテゴリーを”インダストリアル”って呼ぶのですが、
私の好きなカテゴリーでしたんで
スティールの冷たい感じや
シンセティック、人工的で血の通ってない感じがする
そんな音作り。
でも「Time」はストリングスが大きくフィーチャーされているので
決してインダストリアルではなく
ストリングスのアレンジはすごく凝っていて、
特にイントロや出だしのヴァースの繰り返しの時なんかは
超カッコ良くてゾクゾクします。
リズムに関しては、明確なドラムスやパーカッションが使用されていない代わり、
この曲の代表的存在と言っても良い機械音?!
ロスの郊外に行くとそこらじゅうにあるオイルを掘り出す掘削機みたいな機械音
何かのレバーを引いて、それがバネで戻るような音
そのサンプル音が、スネアやバスドラのごとくリズムを刻んでいるんです。
この音だけ聴いていると、終いにはドラムスの音にすら聞こえてきます。
多分絶妙なブレンドで掛け合わせているんだと思います。
またその裏では、カスタネットの様なサンプルサウンドも小刻みにリズムを裏打ちしています。
ベースの役割を果たしている音が何の音なのか?
楽器なのか?何かのサンプル音なのか?
ギザギザしてて
よく正体が分からないのですが、それも気になり・・・
ちなみにヴォーカルですが、
光一さんも何かで同じ様なコメントしてましたが、
この曲のキーは本当にKinKi Kids節に最も適したキーだと思います。
彼らのヴォーカルが心地よく一体化できるキーだと。
あと、後に追加されたのか?どうかは分からないんですが、
随所で必要とは思えないアレンジがあるのがすごく惜しい気がしました。
せっかくシンプルで
少ない事でもっとを感じさせる
機会があったのに
その1つが、出だしの剛さんによるスキャット(I won’t let you cry)
当初OAされてた頃はこれはなかったのに、
追加されたのでしょうか??
んー、わたし的には逆効果。
イントロのミステリアス感が薄れて
ありきたりというか・・・
なんかしつこい感じがしました。
あと後半の”あの時から”に被せての
訳分かんない語呂も悪い英語の歌詞。
せっかく日本語の歌詞がイイとこなのに・・・
せっかく掴みがあるのに・・・・
正直、うざい。
って思っちゃった。
ごめんね。
歌ってる光一さんにも。
では、また。
Hope to see you at another “Time”!