NEWS「チュムチュム」が示した、ジャニーズ独特の表現法とは?ポピュラー音楽史の視点で探る

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やっと心の整理がついてきたので、NEWS「チュムチュム」について語ろう。

心機一転した先の「チャンパカーナ」もなかなかの衝撃だったが、「チュムチュム」には、さらに驚かされた。インドというコンセプトと謎めいた歌詞に、多くのファンと同じように戸惑った。とは言え、ジャニーズのこのような攻めかた自体は、よくあると言えばよくある。いわゆる<音楽アーティスト>では体現しにくい企画性を成立させてしまうことが、アイドルの強さであり魅力である。その意味で、四人体制になって以降のNEWSはむしろ、アイドルとしての強度が増しているとも言える。

さて、「チュムチュム」である。曲調、振り付け、衣装などから、露骨なまでにインド感を打ち出している。しかし気をつけなくてはいけないのは、「チュムチュム」における「インド」が、実体としてのインドとかけ離れた、少なからぬ偏見の入った「インド」像であることだ。実際のインド人はもちろん、NEWSのような服装をしないし、ましてや「チュムチュム」冒頭の歌詞はヒンディー語ではありえず、「ムチャクチャな夏があっちっち/魅惑な場所/ちょっとだけよ/着々と/愛の花咲く場所」という日本語の文章をさかさにしたものだ。ここになるのは、不規則な文字列をそれっぽく歌えばインド風になるだろうという、なんというか、ナメた態度なのだ。このような、ひとつ間違えると差別表現になってしまうステレオタイプに対しては、批判的な立場を取る人もいるかもしれない。筆者自身も、楽曲自体には好感をもっているが、あきれる部分がないわけではない。しかし一方で、そういう危うい側面を含むのが商品としてのポピュラー音楽なのだろう、とは思う。というか、ジャニーズとは、まさにそういうことを続けてきた事務所である。

全文は以下にて。

情報源: NEWS「チュムチュム」が示した、ジャニーズ独特の表現法とは? ポピュラー音楽史の視点で探る – Real Sound|リアルサウンド