今日は台風だから空いてるかなっと思って、レディースディを利用して映画『BECK』を見てきました。
あまりにもうららさんが大絶賛して熱く薦めるので、もしつまんなかったらなんか奢って貰おうとだまされたつもりで観てみました。
ちなみに番宣番組に関しては、楽しく殆ど観させて頂きました!
「Rookies」の時と同じで、映画やドラマには全然食いつかなかったものの、番宣番組は見逃せねーとばかりに、欠かさず見てましたよ。
だって楽しいじゃ~ん、
キャッツやROCKERSなんかもそうだけど、限定ユニットって感じでさ。
ちなみに、もう皆様ご存知の方も多いかと思いますが、
私はバンド映画が3度の飯より好きです。
歴代の代表作は殆ど見てると思いますしね。
でも、タイトルが「BECK」って・・・・
いくら人気コミックの映画化っていっても、「BECK」ってバンド映画ありか???って。
そしたら、映画のセリフの中にもそういうセリフがあって、
「(BECKって)もういるじゃん」みたいな。
↓
まぁ、なんかタイトルだけで、コミックを知らない洋楽ファンはドン引きなんじゃないの?って余計な心配をしたりなんかもしてましたが・・・。
以下が代表作ね。ご存知の方も多いと思います。
通常バンド映画っていうと自伝風なのが多いと思うのですが、
これは全くのフィクションなんでしょうね??
でも、自伝的バンド映画特有のお約束のルートはちゃんと辿っていて、
例え現存しないバンドであっても
バンドが結成される経緯や(これって「七人の侍」に共通するものがありますよね?)
台頭してきた時にムズムズワクワクドキドキする感じや
その内、恋愛も音楽も同時に上手くいかなくなかったり
バンド内で亀裂が生じたり、競争があったり
スランプやプレッシャーがあったり
クライマックスのLIVEで感動があったり
(ドラッグに溺れってのはさすがにお国柄ないですね、はい。)
etc. etc.
そういう鉄板的ストーリーラインをなぞってるだけなんですけど、文句なく感動してしまいます。
ただ、この映画「BECK」に関しては、並みいるバンド映画の中でも唯一とも言え、
また最も大胆とも言える手法が用いられているんです。
それが、佐藤健くん演じるコユキのヴォーカルが具現化されない事。
つまり、歌声が一切流れないんですね。
この辺が堤監督の斬新かつ素晴らしい表現だと思いました。
表現されない部分を上げて、”素晴らしい表現”ってのもなんだか矛盾していますが、
この一番大事な掴みの部分をMUTEにするというのは、
わたし的にはものっすごい新しい表現方法に思えて、
身震いするほどの感動を憶えちゃいました。
だってもしよ、スーザン・ボイルのあの有名なYOU TUBEの映像で、
スーザンが歌っている声だけを例えMUTEにして再生したとしても、
その場にいたオーディエンスの表情やリアクションで
十分彼女が素晴らしいヴォーカルの持ち主だって分かるじゃないですか?
あのオーディエンスのリアクションだけで、
それだけで伝わる感動の方が大きいじゃないですか?
そりゃあ、ヴォーカルが聞こえた方が分かりやすいし、そうじゃないと伝わらないとは思いますが、
そこを敢えて隠すみたいなのって、
わたしは逆にすげーーーーーーーーって、思っちゃうんですよね。
しかも、私には何故かヴォーカルが聞こえたというか
上手くイメージできるというか、
自分が最もはまると思えるヴォーカルを被せて脳内で再生できるので、
あのバンドのコードに合わせて、自分の好きなチューンを自分の好きなヴォーカルで聴く事ができましたもん。
あっしらの様なバンドや音楽を作ってきた人間にすれば、
ヴォーカルトラックなんてのは、一番最後に来るものだから、
ヴォーカルのないトラックを何度も何度も死ぬほど聴くわけですよ。
ヴォーカルが後に入る事を前提として。
それでよくあるのが、ヴォーカルを入れるまではすごいイイ感じだったのに、
入れると途端に幅や奥行きが狭くなるというか
場合によってはヴォーカルを入れることで
なんか台無しになっちゃったり
当初描いていたほどの出来でもないかなって事が多々あるんですよね。
ただ、勿論その逆も多々あります。
なんか、たいしたトラックでもないなぁと思っていたら、
ヴォーカルを入れたことでグンと良くなったり、
世界観や画が生まれて
もっとカッコ良いリフが浮かんだりとかね。
(光一さんも「Spica」で仰ってましたね)
コミックは元々音が出ないから、
今回の「BECK」でコユキのヴォーカルをMUTEにしたのは、すごく正解だったような気がしました。
それにしても、勇気のある決断ですよね。
堤さんじゃなければ、あのMUTEの時の表現を上手く映像化する事はできなかったんじゃないかと思います。
「銀幕版 スシ王子!」の時も、お寿司の美味しさを派手に光で表現してたじゃないですか?
あの真逆の表現方法を駆使したわけですからね。
見えないモノを見せ、聞こえるものを聞かせない。
またさ、そのMUTEでありながらもさ、佐藤健くんの演技が素晴らしいんですよね。
天晴れでござんした。
映画「BECK」の中で私が一番感動したのは、
最初にコユキが初めてCLUBでヴォーカルを披露するシーン。
オーディエンスの表情がみるみる彼のヴォーカルに魅了されていくのが感じ取れるあのシーンにすごく感動して涙が出てしまいました。
私の隣の女性なんか、一瞬声出して泣いてたっけ。
あーいう体験を数々してきたので、その時の感動が蘇るんですよね。
とにかく、コユキを演じた佐藤健くんが最高でした。
彼は本当に素晴らしい役者さんですね。
「MW」の第0章の時も感じましたが、若手の中で文句なく1~2を争う役者さんだと思います。これからの成長が非常に楽しみです。
あと、忽那汐里さん。
彼女の英語は完璧ですね!
てか、ネイティヴなんですってね。
英語の演技が素晴らしいと思いました。発音とかだけじゃなくて。
オーストラリアだから、アメリカンイングリッシュとは相当かけ離れていると思いますが、その辺も研究したんでしょうね。
水嶋ヒロくんも、さすが帰国子女だけあって、英語も本当に上手でしたね。
彼もスイスにいたんなら、きっとアメリカンイングリッシュではないんでしょうけど、とても流暢なアメリカンアクセントだったので驚きました。
そういや、竜介って英語圏の人には難しいから、外人さんはみんな”Ray”って呼んでましたね。
あとカンニング竹山さんが良かった。
彼は本当に弾けるのかしら?
なんか弾いてる風に見えるのがすごい。
その他、中村蒼くんも良かった。
番宣番組では、不思議ちゃんな飄々としたキャラでしたが、演技もしっかりしててビックリしました。
ドラマーって感じはしなかったけど。
桐谷健
太くんは、高橋務さんとケンカするシーンがあって、クローズZEROを彷彿とさせて楽しかった。
向井理(ムカイ・リーくんと呼んでます)くんもなんかベイシストには見えなかったけど、カッコよかったし。
これきっと、連ドラマ化されますよね?
その時のキャスティングなんかを想像しちゃったりもしちゃいました。
エンディングのロックフェスのシーンなんかは、本当にありえないなんだけど、
ちゃんとドキドキできるっていうか、
やっぱロックンロールって最高だぜ!
って思えるシーンになってて
あの場でBECKと一緒に『EVOLUTION』したくてウズウズしちゃいました。
そう!曲がどれもイイのよ!
BECKの曲。
これはやっぱ大事ですからね。
サントラに入ってるのかと思ったんですが、肝心のBECKの曲は収録されてないみたい。
残念!!
佐藤健くん演じるコユキのヴォーカルポーズがOasisのLiam Gallagher風なんですよね。
でも、あんな声じゃ決してないはず。(の様に、個人個人の思い入れがあるから、やっぱMUTEで正解だと思うのです!!)
かつて、若かりし頃の剛さんもこのLiamポーズで歌ってましたが、
この映画を見てて、つくづくこのコユキの役を若かりし頃の剛さんにやって欲しかった役だなぁって思いました。
彼だったら、あのままのヴォーカルでコユキになれたと思うし。
そう、剛さんだったら、ヴォーカルをMUTEにする必要もなく、彼のヴォーカルを知らない人をも魅了できるヴォーカルを披露できる最高の場だったんじゃないかなぁなんてね。
映画「BECK」のエンディングテーマ曲はOasisの「Don’t look back in anger」なんですが、このトラックはあいにくLiamがヴォーカルではなく彼のお兄ちゃんのNoelがヴォーカルなんですよね。
最近ラジオをつけると必ずこの曲が流れてきます。
そのイントロを聴く度にJohn Lennonにそっくりやなと。
↓和訳付