映画「カノジョは嘘を愛しすぎてる」試写レビュー ※ネタバレ※

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劇中登場のバンド「CRUDE PLAY」(略してクリプレ)のシングル「サヨナラの準備は、もうできていた」も、オリコンデイリーで10位に食い込んだようですし、12/14の公開日に向けて目下プロモーションもMAXを迎えているようですね。
当然、コミック原作は知ったこっちゃないあたくしですが、佐藤健くん主演のバンドものとあっちゃぁ、例えラブストーリーであろうが何だろうが見ないわけには参りません。しかも、「るろうに剣心」のオーディオコメンタリーで健くんが窪田正孝くんと、いつかガチで芝居してみたいと言っていた(私もそう思っていた)、それがこんなに早く実現するなんて嬉しいじゃあーりませんか!
結論から申し上げますとですね・・・、とにかく良かった!
何が?・・・佐藤健が!!
って、そのひと言に尽きます。
彼は絶対に期待を裏切る芝居はしないんですよね~。若い役者さんでは稀有な安パイ中の安パイ俳優というか、どんな役でもきっちり自分に引き寄せて同期できちゃう。やっぱり、若手俳優さんって”合う役”と”合わない役”って必ずあると思うんですけど、こと佐藤健に関しては「何でもできる」と改めて確信しましたよ、こんな映画ででも!
”こんな映画”といいましたが、内容はね、まぁ別にどーってことないんです(BANDAGE並みというか・・・)。
冒頭のヘリのシーンぐらいにしかお金かけてないし、ロケも隅田川メインですし、俳優は若手ばかりなのでローバジェットフィルムなのですが、キャストがみんな実にキラキラしているので見ていて気持ちがいい。感動するようなシーンはひとつもないんですけど(人によってはあったかもしれませんが)、そこがかえって若いガールズたちが感情移入しやすいんじゃないのかな~って思いました。理子役の大原櫻子ちゃんが嫌味がなくて”普通っぽい”のも、それを助けてると思います。
とにかく、理屈抜きでひたすら佐藤健が良いので、彼がお目当ての方はご満足頂けることは確約致します!単純にカッコイイっていうだけじゃなくて、彼の演技はもちろん、透明感のある画ずまい、醸し出す場の空気の伝播力など全部ひっくるめて美しいです。これは、ジャニーズさんとは確実に一線を画した存在感だなぁ~と思います。
あと、もちろん三浦翔平くんなんかは、彼の得意とするちょっとライトで男らしい熱っぽさを持ったアキの親友役をサラリと小気味よく演じております。注目の窪田正孝くんは、感情の起伏が乏しい冷静な心也役をそつなくこなしていましたが、レコーディングスタジオで理子の横に並んで佇むシーンが、フェミニンな割にやけに男っぽくて、視覚的にもいかにもコミックの1コマらしく、ちょっとドキリとトキメキましたね。窪田くんって意外に劇画的なルックスだったんだなぁ~・・・、と言うより、彼もまたいかようにも役に染まる役者さんなので、それだけ役が入っていたということなのかも。
舞台挨拶で健くんが、劇中歌の歌詞を良く聞くことと、アキ(健くんの役名)が嘘を言っているのか本音を言ってるのかを考えながら見て、と言っていたので、これから見る皆さんも是非その辺りを意識して見てみて下さいね。
ディズニー映画のように、セリフをまんま歌に載せるとこまではいきませんが、ストーリーの進行に楽曲が重要な役割を果たしております。
完成披露では実際にクリプレが2曲演奏してくれたんですけど、上映前だけでなく映画を見終った後にも登場して演奏してくれたのは嬉しかったですね。やっぱり映画を見たら、その内容を踏まえてもう一度見たくなるじゃないですか?!そんな、ファンのニーズに応えた、痒いところに手が届く演出をしてくれた東宝宣伝部さんに感謝!!
しかし、あたくしは冒頭10分間ぐらいまるっと既視感があったんですが、どうしてだろう??
番宣番組なんて見た覚えないし・・・、デジャブっすか?不思議だなぁ~。