さて、もはや誰も楽しみにしていないであろう「銭ゲバ」のレビューですが(苦笑)強引に進めさせて頂きたいと思います。
一見、派遣ギリだの不景気だのというテーマが、時代にマッチしているようなんですが、どっこい逆行しているようにしか思えないんですよね~。
タッキーが「太陽の季節」をリメイクした時よりも、尚一層のありえない感があるものの、また、それがこのドラマの存在価値のようにも思われ・・・、どっちにしても土9で放送ってのは無理があったかも。
ただね、松ケンの演技には引き込まれてしまうんですよね。
もう、風太郎が乗り移ってるから、痛みとか怒りとか同じように感じてしまったりして(恥)。
「ボクは貧しいですから・・・」とか、言うのかな~今どき。
もっと、違う、別の自然な口頭表現がありそうだけど、極めて卑下した言い回しを敢えて狙っているのかもしれませんね。
でも、いちいち右目と左目を交互に抜く画づらは、バカのひとつ覚えで押し付けがましい。
右と左で風太郎の善悪みたいなものを演じ分けているんだろうとは推察しますが、そこまで、視聴者にガイドしてやんなきゃなんないほど分かりにくい演技はしてないと思うんですけど~。
現にカメラを引いた時の方が、ずっといい表情してたりするからね。
三國家のお住まいが「ネバーランド」の松籟館だったりして、ケンケン繋がりだな~なんて(笑)。
風太郎の(多分)貧乏ったらしい服装でさえ、なぜか松山ケンイチだとさらりと、古着風に”着こなし”てしまって、ルックスからは余り悲壮感がないのもどうしたものかと。あれじゃ誰にも心を開かなかった茜ちゃんがあっさりフォーリンラブする気持もわかるもの(おばちゃんなんてな、心だけじゃなくて、もっと色んなとこまで開いちゃうぞ・・・なんちって)。
クルーネックの白い胸元や、茜ちゃんの顔をつかむ指が異常なまでに美しいので、ドッキンドッキンしっぱなし
まぁ、冗談はさておき、余りにも地を這うように悲惨なストーリーなので、彼が今後何人の人を殺してしまうのか想像するだけで辛い。
果たしてこれを見たいと思う視聴者がどれだけいるのかなって。
「魔王」もそうでしたが、銭ゲバの方が”狂気”を感じます。
人を殺してお金を手に入れても満たされないのにね。
お金=愛ではないですからね。
確かにお金は必要なものだし、お金がなきゃ「愛」なんて感じてる余裕はないけど。でも、”誰かに愛されている人”を殺すのは罪深過ぎる。
でも、その負のエネルギーこそが風太郎を生かしているんでしょうね。
父親に偶然出会った後で、ひどく落ち込む彼が穴埋めとして金を抱く姿は何とも痛ましい。
では、また来週