5月12日、日本を代表する演出家の蜷川幸雄さんの死去が報じられ、日本中に大きな衝撃が走った。
蜷川さんと50年以上の交流があるというジャニー喜多川社長も、「昭和と平成を見事につなげた人が、東京オリンピックを待たずにさよならなんてずるいよ」という追悼コメントを発表した。
SMAP・木村拓哉や少年隊・東山紀之、V6・森田剛に嵐・松本潤、KAT-TUN・亀梨和也など、数多くのジャニーズタレントを舞台や映画に起用していることでよく知られているが、彼らもそれぞれ蜷川さんの厳しい「指導」を受け成長したこともあり、その死を惜しむ声は多い。
そんな蜷川さんとジャニーさんの仲のよさが最も感じられたのが、2015年の元日に放送された蜷川さんのラジオ番組『蜷川幸雄のクロスオーバートーク』(NHKラジオ第1)に、ジャニーさんがゲストとして出演したことだ。そもそもジャニーさんの肉声が流れること自体、貴重な機会でもある。これはもう、「蜷川さんだから」出演した以外のなにものでもない。
この収録の前に、2人でジャニーさんの舞台『DREAM BOYS』を観劇してきたという。蜷川さんはジャニーさんが舞台を3週間程度で仕上げるという話から、そのスピードだけでなく、そこに「あれだけの曲と振りも」盛り込んでくることに驚いていた。番組終盤にも、舞台のいろんなことを全部ひとりでやっているジャニーさんに、「(僕は)ちょっと追いつかないなぁ」と言う場面もあった。
そして、『DREAM BOYS』に、たくさんのタレントが出演していたことから、「今日出たコ、何割ぐらい覚えてる?」と蜷川さんが聞くと、「覚えてない」と、あっけらかんと答えるジャニーさん。だから、名前も「覚えられないから、みんな“YOU”」と呼ぶことを明かしていた。ジャニーさんいわく、「アメリカではみんなYOUだから」とのことだ。
一方で蜷川さんは、2日ぐらいかけて出演者の名前を覚えて、名指しで指導するという。そうすると、「みんな喜ぶ」から。対照的な2人である。
あるとき、「誰かいい人紹介してよ」とジャニーさんに紹介してもらったのが元男闘呼組の岡本健一。その後、SMAP・中居正広と木村を紹介してもらったときには、木村を舞台で使った。「いまだに恨みに思ってます」と中居に言われると、蜷川さんは笑い話にしていたが、16年の今だと少々笑えない話にもなりそうだ。
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情報源: 追悼コメント「ずるいよ」に込められた、ジャニーさんと蜷川さん“対称的”な2人の交流(1/3)|サイゾーウーマン