演劇興行供給で「黒字計上」実現 博多座 

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演劇興行供給で「黒字計上」実現(前)|(株)博多座|NETIB-NEWS(ネットアイビーニュース).

2014年、博多座は開場15周年になる。この節目となる年を、芦塚日出美社長は、1つの壁を乗り越えた思いで迎えた。10年6月に着任して4年。2年は赤字を計上したが、12年、ようやく年度初めに立てた目標額5,000万円の単年度黒字決算を計上することができた。13年の興行成績も順調だった。芦塚社長が着任した10年度に比べると、営業業績が着実に伸びてきている。年度ごとの月別演目で10年度、明らかに黒字だったのは7月の「大奥」だけだった。11年度も黒字だったのは2本。しかし12年度は4本、13年は6本と黒字興行が着実に増えている。

 1つの転換期は11年度の後半だった。この時期、博多座は思い切った演目改革を行なった。まず1月に、ジャニーズの堂本光一主演「Endless SHOCK」を公演。そして3月に博多座初の自主制作、武田鉄也・浅野温子主演の「時代劇版101回目のプロポーズ」を公演した。この2つの企画、とくに自主制作については、演劇興行面からも革新的な試みだった。「Endless SHOCK」は当初、「博多座の客層と違うのではないか」と懸念もされたが、公演前にチケットが完売するほどの大ヒットとなった。芦塚社長は「演目の幅を広げれば、既存の博多座の客層とは異なる新規層を開拓することが可能」と確信を得た。これとは対照的に、初の自主制作「時代劇版101回目のプロポーズ」は若干の赤字となった。ただ、通常のように演劇配給会社から買うより、制作費のコストを抑えられ、また他劇場へ売る可能性も感じ取ることができた。「自主制作は原価が抑えられる。軌道に乗せれば、経営上有益となる」ことを学んだことを思えば、赤字という結果は一時的なものであり、今後の業績向上のための授業料を払ったようなものだと、芦塚社長は前向きに受け止めた。

ネットアイビーニュースより抜粋

演劇興行供給で「黒字計上」実現(後)|(株)博多座|NETIB-NEWS(ネットアイビーニュース).