東京・恵比寿。名前の由来はヱビスビールにある。恵比寿駅はビールを運ぶ駅として誕生した。上品なセレブの雰囲気と横町の喧噪がないまぜになった大人の街でも知られる。8月17日、夜8時を過ぎて、ますます人通りが増えていくこの街の一角は、普段とは違う熱気をまとっていた。
大型車両15台が停まり、50人ほどのスタッフが慌ただしく動いている。通りかかった女性たちはほぼ全員立ち止まりその様子を眺める。数十人にふくれあがっていく遠巻きに、スタッフの1人は「撮影中です! 交通整理にご協力ください」と声を張り上げていた。
その中心に、木村拓哉(44才)の姿があった。ダークグレーのスーツに髪形はオールバック、ノーネクタイながら堅苦しいほどデキるエリートを思わせる。木村がポケットに手を入れたり、目を細めて遠くを眺めたりすると、女性陣からは溜息ともつかない声が漏れていた。
その日、木村は主演映画『検察側の罪人』のロケに参加していた。二宮和也(34才)との“異例”の初共演も話題のこの作品で検事役を演じる。
「ドラマ『HERO』(フジテレビ系)の破天荒な検事とは違った、悪事にも手を染めるダークな役になるそうです。はじめ木村さんを師と仰いでいた後輩検事の二宮さんと、徐々に亀裂が入り敵同士となって対決していくので、現場にもかなりの緊張感があります」(映画関係者)
その夜は、闇社会のブローカー役の松重豊(54才)と共に、車に乗り込むシーンの撮影に臨んでいた。撮影中は笑顔もなく、糸が張り詰めたように、周囲にはものものしい雰囲気が漂っていた。
「OKの声がかかると、急にクシャッと顔を崩して笑っていて、思わずホッとするというか嬉しくなるほどでした。リラックスした様子で、とても楽しそうに松重さんと話をしているのが印象的でした」(居合わせた人)
情報源: 映画共演の木村拓哉と二宮和也 現場での馴れ合いはなし│NEWSポストセブン