正直、ここまではニノパワーだと思うのね。問題はこっから後。某アンケートによれば、観賞動機の35%強がニノファンだからと回答。原作ファンは15%強、松ケンに至っては7.7%ですもの~、ニノの5分の1!オーホッホッホッホ。で、私ときたら原作ファンで松ケンファンだから、どちらの票も稼がせてあげられないという(苦笑)。
ニノファンの皆さんとって、この映画はどう映ったでしょうか?非常に気になります。リピート鑑賞したいと思って頂けたのでしょうか?それとも、やっぱ”暗くてキモチ悪~い”って印象なのでしょうかね??とっても興味があります。私は個人的には「硫黄島からの手紙」を見るよりかは、まだライトな方じゃないかな~と思っているのですが・・・。そして、この作品での二宮和也の演技には背筋が寒くなるほど痺れておりまする。
ネタバレしますので、たたみます
JUGEMテーマ:GANTZ
※ネタバレ注意※
原作とか元ネタといちいち比較してあらさがしをすることは、「薄桜鬼」を見て以来まったく興味がなくなったので、むしろどう料理してくれるのかに注目しておりました。冷静に考えたら、どうひっくり返っても(例えアニメであっても)原作のままの表現は難しいし、実際そんなエグイもん実写で見せられて楽しいのかよっ!てのもあると思います。マンガだから内臓が飛び出しても、首がちょん切れても、脳みそがバーストしても耐えられるけど、実写だったらキツイで~。エロシーンについても、もともと原作でも”オマケ”的な役割だと私は解釈してるんです。計ちゃんのスケベさ加減は別の表現でも充分伝えることはできるだろうし・・・。
そりゃ、連載が始まって以来の筋金入りの原作ファンの皆さんならば、言いたいことはたくさんあるであほうが、「デスノート」、「20世紀少年」、「クローズZERO」、「BECK」もまた同じハードルがあったにせよ、映画興行は成功しましたから。映画制作のプロが、映画を観る人たちに向けて、映画たる作品にするべくアレンジするのですから、そこは温かく見守ろうと思ってわたくしは臨んでいました。結果、全くもって突っ込みどころのない立派な”映画作品”に仕上がっているな~とさえ思えました。原作ファンへのサービスは怠っていなかったと思いますし。そして、ねぎ星人までは多少グロく、その後はややライトめにすることで、原作知らずに映画だけを見に来るお客さんに(特にニノ目的で観る方々に対して)非常に配慮された映像作りだったとも思います。ニノの手足がもがれるシーンなんて、そらショッキングかもしれませんが逆に言えば貴重じゃな~い??逆転の発想をして頂けたら幸いです(って、あたしゃスタッフでも何でもないけんど)。
「画面が暗い」っていう感想も多いようですが、私はそれほど気になりませんでした。やっぱ、内容が予め分かってると、暗いのが必然であることが理解できれいるので、見始めた時からハンパなく注視してたせいもあります(笑)、作品に向かう気持ちだけではなく、「目」まで鍛えられちゃってるんだな、これが。
松ケンが舞台挨拶で「それぞれの登場人物の設定(背景)を確認しながら見て欲しい」と言っていましたが、ガンツ部屋に召喚された以上は、年齢や性別、職業なんかまるで関係なし。「生きる」為に、ただ戦うのみですからね。みんな何らかの形で一度「死」を体験していて、要するに死んじゃった人間はこの世にいないんだから、もう誰に迷惑かけるでもないし、死んでるんだからミッションで死んだっていいわけですよ、元から死んでるんだから。なのに、みんな必死で戦うんですね~、「生き残り」を賭けて。ここが、この作品の面白さです。しかも、恐怖感と罪悪感に苛まれながらビクビク戦っていくわけです。おこりんぼう星人ぐらいまでくると、どれが星人か分からなくなってくるので、本当に緊張感が増すし、加藤が博物館の中で星人を探しているシーンなんか、彼の緊迫感と焦燥感に満ちた息遣いだけが聞こえてきて、観ているこちらもシーンに呑まれてしまいます。こういう表現はコミックそのままだし、前述した計ちゃんが手足をもがれて倒れているシーンも原作にあって、もーうゾクゾクしちゃいました。
西が説明的なセリフを担っていましたが、ここも原作ファンにとっては納得いかないポイントかもしれませんが、ある程度のガイダンスは必要なので許容範囲かな。でも、いわくあり気な西も加藤もあっさりやられちゃうってとこがすごいよね。メインキャストがさっさと死んじゃう。これも原作通りです。”死ぬ”ってことに意味があるんですよ。
なんでミッションを重ねるのか?とか、ガンツ球は何なのか?とか、彼らは生きてるのか?とか、コミックは30巻まで進んでますが、いまだ解明されてませんから(笑)、そんなことの答えなんかは、この作品に関してはもはや期待しても仕方ないんです。後半は綾野剛くんがホストざむらいっぽいし、もっと登場人物も星人も増えてくるだろうし、現実世界との接点も出てくるだろうと思うので、より整理しながら見ないと難しいかも・・・ですが、そこは巧く映画的に簡潔にまとめてくれるだろうと推測します。
「GANTZ」ってゴールが見えない=カタルシスのないモヤモヤとした違和感を楽しむ作品で、エンタメの常識では考えつかないシロモノなんですが、やっぱり映画には着地点が必要なので「PERFECT ANSWER」では結論が出そうですね。こちらも、どんなアナザーストーリーが展開されるのか楽しみ。
何より、松ケンがまた新しい芝居をしてくれているのと、その引き出しを開けてくれたのはニノなんだな~と思うと非常に嬉しいです。
まだ、細かい部分をちゃんと思い出すことができないので、ざっくりと全体像についてだけレビューしましたが、細部についてはまた考えがまとまったら書きたいと思います。