※ ネ タ バ レ 注 意 ※
そぼ降る雨の中、映画の日で千円で見れるからと言うことも手伝って、公開初日に見に行って参りました!
いや~、良く行く映画館なのですが、明らかにいつもとは客層が違っていて、改めて”ジャニーズパワー”というか”嵐パワー”に圧倒されました。
グッズ売り場には金魚のストラップしか売ってなかったよ~。
と言っても、webで商品チェックは事前していましたが欲しいモノなんて何ひとつないんですけど。でも、グッズの売れ行きひとつ取っても、やはりジャニーズファンの動向は興味深いですな・・・。
私の隣に座った20代前半らしき3人組み。うち二人は映画が始まってからポップコーンを持って入ってきて、カサカサ、ポリポリされたら嫌だな~って思ってたんですが、すぐ隣に座った彼女は何とも見事にポップコーンを音を出さずに指でピックアップし音を立てずに食しており、そのアッパレな達人技が返って気になってしまいました(笑)。映画が終わったら全員靴脱いで見てたけどね(笑)。最近多いよね、自宅状態で靴脱いで見てる子。彼氏と来てたらぜってーしないくせに・・・。
で、映画の内容ですが。
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まず、時代劇ファンの私から言わせて頂くと「とんだ、お花ちゃん映画だな」ってのが率直なところでして、特に「十三人の刺客」の後には絶対に見ない方がいいなって感じました。
まぁ、少女コミック”らしさ”は表現できていると思うし、やっぱり脇を固める俳優さんたちのお芝居はことのほか見事です。でも、どうも作りが”ドラマ”っぽいんですよ。映画にしては、そして「大奥」というタイトルを映画にするにしては見た目もストーリーも何だか安っぽい。
まず、一見豪華そうに見える衣装だのセットですが・・・。「JIN」で味をしめたのか、例のマットペイントの遠景とCGとの合成のような江戸の町の引き画。ドラマではいいんですけど、映画のスクリーンには少し稚拙過ぎる技術レベルかな~と。「大奥」というのは、歴代の作品がそうであったように絢爛豪華と渦巻く愛憎劇がテーマ。そして、中途半端なバジェトでは映画化は無理だと思うんです。お金がかかってるように見えるって作りや映像では誤魔化されたくないな~と個人的には思うんです。しかも、せっかく色男たちを揃えたのだから、ストーリーのダメさをせめて映像で補って欲しかったんですが、雅や色艶はもとより、鶴岡の嫉妬やボーイズラブの表現、藤波や松島の狡猾な厭らしさなんかも含めて全てがライト感覚。原作がコミックだけに”らしく”できていたと言えば、せめてもの褒め言葉になるのかもしれませんが、一瞬でも「本当に男女逆転の世界があったのかも」と思わせてくれるぐらい映像で惑わされたかった。
どっちにしろ、この作品は時代劇ファンをターゲットにしてはいなさそうなので、これまで時代劇との接点がなかった若い世代の方には良いアピールになったのかもしれません。ガチで時代劇が好きな方は見てはいけない作品のひとつだな~って。
所々、史実に基づいた描き方もあるにはありましたが、最大の見せ場である将軍との寝屋のシーン。今生の暇乞いに水野が吉宗に「一夜だけお信と呼ばせて欲しい」と頼む、おそらくニノファンなら誰もが貰い泣きするであろうシークエンスですが、私は将軍を俗名で呼ぶなんてことも、たまたま将軍と自分の好いた女の名前が同じだったことも、ダブルで「あり得ねぇでしょ」ってのが頭を巡ってしまい、全く感動できないばかりか、なのに、こんなに懸命に演じているニノを見ていると、何だか彼の実力をバカにされているような気にすらなってしまいました。
たっちょんなんてすぐに死んじゃうし(苦笑)。
何も腹を切ることはないよな~って(笑)。でも、彼が切腹した際に即座に介錯に回った水野には武士の情けを感じます。随所に水野は貧乏旗本ながらも武士である誇りを捨てていない姿勢がイイですね。ニノはべらんめぇ調の江戸弁をなかなかどうして良く演じていましたが、想像の域を超えない役どころだったせいもあって宝の持ち腐れ感も。鶴岡との道場のシーン(稽古)も、両名とも殺陣は頑張っていましたが、やっぱり腰つきがどうにも軽いので太刀さばきに重みが感じられなかった。でも、イケメンが見せる殺陣としては充分だったかもしれません。
柴咲コウちゃん、堀北真希ちゃんは顔が現代的過ぎ。セリフ回しも声が軽くテンポが早い。時代劇と現代劇を完璧に演じ分けていた男性キャストは阿部サダヲさんと佐々木蔵之介さんぐらいだったかな。
あと、BGMうるさ過ぎ。これ、完全に「ドラマ」の作りです。しかも、エンドクレジットで流れるテーマソングが合わな過ぎ。決して嵐を否定しているわけではありませんが、何も嵐でなくても・・・と思ってしまいました。百歩譲って、戦略的に嵐が主題歌と決まっていたのなら、せめて作品にマッチした楽曲を制作するようオファーして欲しかったです。嵐のメンバーが出演する映像作品って、大概主題歌が嵐になる傾向がありますが、「木更津キャッツアイ」や「ピカンチ」、「魔王」の時のように、作品と主題歌がぴったりハマるように何故できんのだろう??目の付けどころが良かっただけに、すべてにおいて残念な映画です。