嵐・大野智が初振付した新曲MVの仕上がりは? 明大名物講師は「自由度の高いダンス」と分析 – Real Sound|リアルサウンド.
嵐の新アルバム『THE DIGITALIAN』が10月22日にリリースされた。初回限定盤にはリードトラック「ZERO-G」のMVとそのメイキング映像を収めたDVDが付録となり、人気のあまり売り切れとなる店舗が続出し、入手が困難な状況が続いている。
同映像作品は、リーダーの大野智がMVという形では初めて振付を担当したことでも話題となっており、その仕上がりにも注目が集まっていた。
明治大学法学部にて嵐を題材にした講義を行い、書籍『隣の嵐くん~カリスマなき時代の偶像』の著者としても知られる関修氏に、その見どころについて話を聞いた。
「まず注目すべきは、やはり大野さんが振付を行っているというところでしょう。ゆったり目のルーズな衣装で、セクシーに腰を動かす振付が特に印象的ですが、よく見ると全員の動きがそれほどピッタリ合っていないのがポイントです。大野さんによると、細かく動きを合わせるのではなく、全体として嵐らしい表現にしたかったとのことで、各メンバーの個性が滲み出る自由度の高いダンスになっているかと思います。その余裕は、ある種の頂点を極めているグループならではのもので、相葉雅紀さんの言葉を借りると『30代の大人の色気』が感じられる作品なのではないでしょうか。
今回のテーマである“デジタルと嵐の融合”もよく表現されていて、一聴するとデジタルな曲調でK-POPを彷彿とさせますが、サビではジャニーズらしいポップなメロディラインを聴かせていて、そのギャップがおもしろい楽曲に仕上がっています。MVでも近未来的なイメージを持たせていますが、しかし前述したようにダンスはメンバーの個性が際立つもので、フィジカルとデジタルの両面を感じさせます。
また、メンバーがそれぞれ“あやとり”をするシーンがたくさんありますが、それは結成15周年を迎えた嵐の絆を象徴的に表すとともに、おそらくはファンたちとの繋がりをも表現しているのだと思います。同時に、形が変化していく“あやとり”で、常に進化し続ける嵐の未来像を予感させます」
メイキング映像もまた、嵐の関係性が垣間見ることができる興味深いものであると、同氏は続ける。
「メイキング映像では、今回のアルバムのテーマである“デジタルと嵐の融合”は、嵐のアイデアマンである松本潤さんの発案で、それを形にしたのが大野さんだということが明かされています。そして、15周年を迎えたことへの感想は、嵐のスポークスマンである櫻井翔さんが特にうまくまとめています。その役割分担は実に嵐らしく、5人のコンビネーションの良さを感じさせるのではないでしょうか。ファンにとっては、櫻井さんと相葉さんが、大野さんにダンス指導を受けている様子なども含めて、貴重な映像となっているかと思います。また、今作は15周年目のアルバムではあるものの、これまでの嵐を総括するようなものではなく、これから先の未来を志向して作られたものであることも明かされていて、嵐のさらなる進化を期待させます。アルバムを提げたコンサートではどんな演出で“デジタルと嵐の融合”を表現するのか、とても楽しみですね」
ルーズでセクシーなダンスの中に、嵐の現在地や関係性までが見てとれる今回のMV。「ZERO-G」は、大野がコンサートではファンにも一緒に踊ることを呼びかけていることもあり、会場がおおいに盛り上がる一曲となりそうだ。
real soundより