堂本光一 ソロコンサートツアー 1/2 レポ [1]

2004年5月2日/3日夜/5日夜 @横浜アリーナ
Reported by キリエ
Last updated: 11/10/2014 13:58:01

森羅万象に王子を探して・・・ プロローグ

オープニングできらびやかなゴールドの衣装で登場された光一さんを双眼鏡の丸枠の中央に据えながら、(いい年をして)私はこの人がこうしてステージに立つ度に、自らの生活の全ての優先順位をひっくり返してでも、例えゴールデンウィークを犠牲にしてでも、39度の高熱にうなされてても、毎回ガツガツと見に来てしまうのだなぁっとしみじみと思っていました。何故こんなに見たいんだろう?何を求めているのだろう?と半ば自分に呆れながら・・・。そして気づくのですが、どんな芸術や風景、何を見てもまたどんな人と出会っても、日常の森羅万象のどこかに光一さんを探し、求めているじゃないかと。だから自分がここにいる事は、間違いではなく、全く生理的な自然現象であり、理屈や常識で解析されるべき行為ではない、故に罪悪感など感じる必要などない!と・・・。

そんな苦し紛れの言い訳の数々も、ライブがはじまって数分経過すると、まるで先天的にプログラミングされていたかのように、全集中力が視神経に集まり、同時に全ての迷いや疑問や恥じらいが自動消去され、脳のあらゆるスペースにステージ上の一挙一動を刻もうとする作業が始まるのです。

Private HeartやChangeは? -so young blues-~永遠の日々

オープニング曲が-so young blues-だったのは少し意外でした。かつてのJ-Support、現NEWSに捧げた曲「Private Hearts」とかもっとベタにノリ易い曲がオープニングに来るかなぁなんて思っていたり、オープニングじゃないにしてもこの曲がセットリストに加わる事を結構楽しみにしてたんですけど、とうとうこの曲はやらず終い。KAT-TUNの為に書いた「Change」もやらなかったから、光一さんの曲のレパートリーもレアル・マドリッドのミッドフィールドの選手層くらい奥行きが深いワケですな。(分かりにくい?)

続く「Where is tomorrow?」は、SHOCKでもおなじみのナンバー。この曲調からして、光一くん作曲だと思うのですが、どうなんでしょうか?この曲のダンスもヴォーカルも理屈ぬきで大好き!インストのギターソロもカッコイイし、光一くんお得意のキーボードヒット(“ジャン”て音)やドライなスネアヒットも効果的な場所に散在しています。この曲はアップテンポのダンスナンバーなのに、サビがどこかセンチメンタルなチューンで、そこが良いんですよね!英語の部分は、”Please lead me, Where’s tomorrow? (僕を連れて行って、明日のある場所に)”と“Please let me take tomorrow? (明日を連れて行かせて>文法的にちょっと変)”と交互に歌ってるのかしら?歌詞もいいですね。(良くわかんないのに・・・>爆)

「Be Cool」はもう何度も見てきていますが、やはり曲といい、ダンスといい、軽快でキレがいいし、見ているものを熱くさせます。そしてステージ最前方のセリに乗ってのバラード「永遠の日々・・・」。もう呆れるほど、ガン見しておりました。アジアコンの歌唱力と比べるとこっちが生歌じゃない気がするほど完璧で、でもきっと生歌でしょう。SHOCKの経験で肺が大きくなったであろう光一さんがこの曲を集中して歌う時の表情が私は好きなんです。すごく良い顔をして歌われますよね。その表情を型に取りたくなるくらいです。(おっと、あぶない)

エロダンス見たかったのに MC

「永遠の日々」の後のMCでは、初日は可愛いアピールを意識したとして「堂本光一でしゅ。ピンク着てましゅ。」それに続いて、「今回はじめてのソロコンサートで、恐縮です・・・」とやけに遠慮しているご様子。また「横にいつもの堂本さんがいなくて申し訳ない!」とも。ソロコンなんだから、いなくて当たり前ですわな。ちなみに剛さんは、5日の一部にこそっといらしていたそうで、オーラスの時にいきなり「剛くんが来てましたよ~」と告白されたようです。また来たと思ったら直ぐにケータリングにご飯を食べに行ったんだとか。ドラマで大変でしょうに、剛さんも本当に義理堅いですね。緑山スタジオが横浜だから、来れたのかもしれませんね。

MCになるといかに多くの方が各公演を回られているかが分かりますね。光一さんが空調のない会場があったと言うと、あちこちから「せんだ~い」の声があがりました。空調がなかったせいで、’いい意味で’やけくそになれたそうです。また5/4に行われた横アリでのタッキー&翼コンサートは、客席のレイアウトが全く違かったらしく、1日足らずで光一さまソロコン仕様にセッティングしたスタッフに感謝の意を表していました。またオーラスでは、スタッフやMA、そしてダンサーさん達へも絶え間ない感謝の言葉を捧げていましたが、噴水やライトや床や花火等、ステージに必要な細々とした物にも感謝していたのが微笑ましかったです。また感謝しても’ミスは許されませんからねぇ!’とピリリと厳しいコメントも。そう言った後にフォローするかのように「でも一番の問題は、僕だと思います!」と付け加える光一さんは、常に謙虚である事と他者への公平さを忘れないのです。

開演前の拍手も聞こえていたそうで、盛り上がってるのか、早く出て来いよなのか、どっちかなと考えていたんだとか。どこの公演でもこの拍手は起こったのでしょうかしら?

各地でやってきたという、’振りつけ’を客席と一緒にやるコーナーは、私が見た3回の中では、2パターンありました。MCも毎回微妙に違いますが、基本的に2パターンでしたね。初日と映像化が決定したオーラスは、例の体を反らせて股座から手を胸に這わせるエロポーズでした。地方のとある公演では、お子さんが思いっきりハデにやってくれたそうで、その話に盛り上がり場内は爆笑の渦。子供は素直で大人は穢れてると思ったそうです。また横アリで光一さんが見たという滝ツバコンでは、タッキーのエロダンスに感動したそうです。すると会場からは必然的に「やってぇ~~」の声の嵐。僕がやるのは違う等と必死に拒絶してましたが、手拍子の催促まで起こってました。皆見たいものは同じですね・・・。苦し紛れに皆も一緒にやるか?と振ったのが、逆効果もいいとこ!そりゃあ、みんな光一さんのエロダンスを見れる代償として「やる~」って答えるに決まってますから!しまいには子供のように「寝っころがらなあかんから、できひん」とわけの分からない言い訳を口をとんがらがして言い出す始末。そしてまた起きた催促の拍手の渦。何とか難を逃れてしまった光一さんでしたが、あたしは見~た~いよ~。もっと粘りたかったよ~。オーラスの振り付けは「(腰を)突き上げろ!」と要請されるエロいパターンの方じゃなくて、健全な方でしたので、ちょっと残念かも。だってこの振りを教え込む光一さんのエロさを映像に残しておきたかったので!

酔いから覚める呼び込みの声!? ~In Our Dreams~Rock This Town

「In Our Dreams」は、サビの部分だけは、光一さんの日テレの日曜朝枠のエンディングテーマとして知っていましたが、フルで聴けたのは初めてだと思いました。20歳位の時に書いた曲との事で、メロディーや曲調も今に比べればシンプルだけどホーンセクションやタンバリンがフィーチャーされていて、80年代に台頭したペール・ファウンテンズのようなリバプールサウンドぽいポップでおしゃれな曲でした。この辺りから「I」に繋がる様なチューンへの伏線が敷かれていたように思います。

「In Our Dreams」の甘いボーカルがまだ耳に心地よく残って酔いしれていると言うのに、この曲が終るや否やサーカスのMC、はたまた夜の歓楽街の呼び込みのようなたくましい声で「さあさ、ようこそ振りです!恥ずかしがらずに・・・」なんて叫ばれると、酔いが一挙に覚めてしまいました。(苦笑)もうちょっと浸っていたかったのに~!

ダンスの時の英語の歌詞は一部を除いて、聞き取り易かったですよね。

Wow, Wow
I know what you want  君が何を欲しいのか分かってる
I know what you need  君が必要なものもね
‘Cos I love you more than you だって僕の方が君をもっと愛してるから
Wow, Wow
Tell me what you want 何が欲しいのか教えて
Tell me what you need 何が必要なの
Anything for you what I can ?? for you  君の為ならなんだって???
▲ここのcanの後が聞き取れなかったですねぇ、そしてwhatじゃなくてthatかも、またひょっとしたら最後は、 ~ look after youかも

「Rock This Town」(邦題:「ロック・タウンは恋の街」)は私の青春時代に一世を風靡したストレイ・キャッツのデビュー曲。やんちゃボーイズ3人組で、来日した時は事件を起こして警察沙汰にまでなりましたんですよ~。ネオ・ロカビリーのアンサムとも言えるこの曲をオーケストラチックにアレンジして、ピンクのグリッター入りのスタンドマイクで、ポール・スミスが頻繁に使用するようなパープルカラーのエナメル地のロングコートを着てシャウトして歌っていた光一さん!キマッてましたです。そして、その中のインナーはまるでロード・オブ・ザ・リングでフロードがビルボから貰ったエルフ糸で編んだ”ミスリル”みたいでしたね。MAやテリモリと一連に繋がって行進しているのを見ながら、ふとMADNESSを思い出した私でした。♪One Step Beyond!!!(←視聴アリ>ジャケ写に注目)

光一さんのマイクスタンド捌きも堪能できる貴重なナンバーとなりました。ロングコートにマイクスタンド!まさにロックンロールの王道です。

役割を得た各曲の素晴らしさ 月夜ノ物語~さらば愛しきディアナ

「月夜ノ物語」の素晴らしさは過去のレポでさんざん語りつくしてきましたので、割愛致します。 F-albumレビュー>>>Fコンレポ>>>SHOCKレポ>>>

「Temperamental Fool」ではカミセンとかも過去に利用したという、映像パネルを用いてのダンスが見ものでしたね。この曲を早くDVDで見たい! 16倍に遅めて30分くらいかけて見たいっす。その位ダンスが素敵でした。曲も文句なく良い。そして何が見ものって(ちょっとマニアックですが)、光一さんの髪の動き!そして顔に張り付いた髪も!小林ちえ様!あなたは素晴らしい!

「消えない悲しみ消せない記憶」は、Gコンでは聴けなかったですが、ソロコンで叶うと期待した1曲でした。今回のセットにパーフェクトマッチしてましたね。この曲の為に考えられたかの様なセットでした。例によって光一さんだけを双眼鏡で追っていたので噴水がどうのとか、ライティングがどうだったとか全然知る由もありませんが(笑)、さぞかし素晴らしかった事かと・・・。(ゴメンね光一さん、さぞかし演出にこだわったのでしょうけど・・・)

「My Truth」は、これまた「Where is tomorrow?」同様にSHOCKの中のお気に入りのナンバーで、MAさんが息苦しいマスク着用に堪えてダンスされたそうです。(すみまそん、MAさんだとか思わずに見ておりました)ジャン・ジャン・ジャジャン・ジャジャジャジャーンのキーボードヒットとかサビのメロディーに痺れますよね。インストのパーカッションとかギターソロもカッコイイ。この曲はフェロモンのような何かを発してると思うのです。(2004.11.4)英語の歌詞は、SHOCK DIGEST初回限定特典に歌詞カードがありました事を、ご指摘頂きました!ありがとうございます。

「I」では、イントロのピアノソロが流れるとまるでホテルのシガーバーにいるかのようなアダルトな雰囲気が醸し出され、軽快なジャズのリズムに乗ってスタンドマイクに語りかけるかのように、時折首を傾けながら女心を歌う光一さんの裏声に全身の力が抜けていく気がしました。光一さんが赤いマタドール衣装にお着替えする間、「I」はこのままタップリズムへと移行。

こうやって一堂に光一さんのソロ曲を聴くと、実にそれぞれの曲のコンセプトがしっかりとカテゴライズされていて、それぞれの用途や役割が理路整然と差別化されていると感じます。全て計算つくされているのでしょう。

「さらば愛しきディアナ」なのか「我が愛しきDeva」なのか?Divaなのか?まぁ正直なんでもいいんですが、帽子付きのダンスはお顔が見えなくなるし、動きもちょい制限されるのでその点だけがちと不満足。(貪欲すぎ?>笑)もうちょっと早いタイミングで帽子を飛ばしてくれたらいいのになんて思いながら、こんな時こそステージ全体を鑑賞する良いチャンスとばかりに、視野を広げたりできる曲ではありますね。

聞こえているだろうか 壊れてく声が Peaceful World

「Peaceful World」は、私にはすごく思い入れのある曲。今更ライブでこの曲を聴けるなんて思っていなかったので、飛び切り嬉しかったですね。曲と歌詞はかのマイケル・ジャクソンに刺激を受けて作ったとの事ですが、光一くんが10代の時にこんな壮大なテーマを曲にした事に当時から感動を憶えました。ライブではCDの様に、子供達の声がした後にゴスペルのようなコーラスが続き、ギターとリズムが残った上にテリモリのお二人が英語でナレーション。彼らのナレーションは、歌詞の一部が引用されていて、そのほぼ正確な和訳がモニタースクリーンに映し出されていました。光一さんのお衣装は、おとぎ話の王子が戦闘に行く時に着るかのような美しいミリタリー姿なのに、ダンスがたくましくてその対比にノックダウンされました。それなのに私の前に立っていた一派には滑稽に映ったようで、手を叩き指を指して大笑い。座興をそがれた気はしましたが、こんな人たちにこの曲をぶち壊されたくないと強く念じ、気にしないようにつとめました。

決してダンスナンバーではないのに、敢えて激しい目のダンスだったのにも感動しました。群舞もさぞかし素晴らしかったのでしょうけど、双眼鏡では殆ど光一さんしか見えなかった(つーか、見なかった>爆)ので、DVDではじっくり全体像を確認したいと思います。今までキンキキッズのコンサートや舞台やライブを見ても、“泣ける”なんて思った事は一度もなかったのですが、この曲にはヤラレました。コーラスの「Can’t you see Earth calling? Can’t you see Earth calling?」では、堪え切れず号泣・・・。曲と歌詞、そしてパフォーマンスに対しても単純に感動したのですが、この日アリーナに向かう道中で読んでいた“アメリカ兵やイギリス兵がイラク人を虐待していた”という新聞記事の衝撃も手伝ったかと思います。加害者を許せないと思う以上に、同じ人間として悲しくて仕方がありませんでした。だから「刺のある愛に満ちた 薄っぺらな世界さ」の歌詞が思いっきりグサっと胸に刺さり、まずそこでうるうる来てしまい、「聞こえているだろうか 壊れていく声が // Can’t you see~」でぶわ~って涙がとめどなく出ました。壊れているのは地球だけではなく人間のモラルや本質なんですよね。

リフレインの部分では、スタンピング(足を踏み鳴らす音)の音が加わってより一層ドラマチックになります。「Don’t you see there’s something’s going on? going on! (何かが起きているのが分からないかい?) Can’t you see Earth calling? Can’t you see Earth calling? Listen!! (地球が呼んでいるのが分からないの?耳を澄ませなさい!!)We pray for peaceful world, We pray for peace, peaceful world (みんなが平和な世界を祈っている)」

こっちは涙が止まらないというのにあっけなく終わり、しかも客電がついてMCって・・・。この涙は一体どこへやったらいいのよ~(爆)。

ところで、CDと聴き比べてみると興味深いですね。CDでは、光一さん、メジャーで歌ってます!!

エルフと人間のギャップ MC

最初のMCまでの5曲を歌い踊っている光一さんの姿を夢中になって全身を両目にして追っている時、彼に性別や年齢、ましてや国籍や出身地があるとか生活臭い事を全く考慮せずに一心不乱で見ているじゃないですか?(えっ、あたしだけ?)そんな白昼夢の世界に浸っている時に、突然MCに入るとあの男らしい低音で「皆さん、こんばんは。どーもとこうーいちです。」とか、「お前ら」とか、「このやろー」って来ると、いきなり目が覚めて、「あっ、そっかこの人は“男”なんだ」とか、“(お人形さんじゃなくて)人間なんだ”、“息するんだ”とか思い出すんです。そして光一さんの「昨日」とか言う時のアクセントが“き”にくるのを聞くと、「あっ、そっかこの人って関西人なんだ」って・・・。分かりますかしら、この感覚?その位、ギャップがありますよね。ステージで踊り歌う時のエルフ(ロード・オブ・ザ・リングでオーランド・ブルームやリブ・タイラーが演じた美形の種族)のようにインモータル(不死)な光一さんとやけに男らしくエロに走るMCの時の光一さん。この人ってひょっとして顔だけ間違えてついてるんじゃないかしら?なんて思う時もあります。もし彼の性格に忠実な顔がついていたら、きっと高倉健さんや渡哲也さんみたいな顔なんじゃないかしら??とかね。

光一さんからもご指摘があったように男性もちらほらいましたね。オーラスで気づいたのですが、男性のマジファンがいたように思ったのですが??すごいステージに向かって叫んでいて、光一さんはわざと風に拾わなかったので、ひょっとして常連さんなのかな?っと。光一さんってMC中に、使えないシャウトに対しては、聞こえないかの様に表情一つ変えずシャットダウンしますよね。他のジャニーズさんのコンサートにも時々熱心な成人男性ファンはいるらしいです。別に私が行く位だから全然アリとは思いますよ。

メロディー・メイカー堂本光一 Dream Boy~Beat Mind

「Dream Boy」は、光一さんが大好きな”静か~アップテンポ→段々激しく~エンディング”という展開で、キャッチーで心に残るメロディーラインを最初にスローで流して、スピードアップバージョンでリピートして盛り上げるという光一さんがお得いとする手法。メロディーメイカー本領発揮!って感じのナンバー。

ジルバでMAの激しいダンスも楽しめる「Beat Mind」は、当初MAコーナーだと思っていたので、結構目を休めていたのですが<(_ _;)>、突然ガタイのいい女が出てきて「アレ?」と思いチェックしたら、長髪のズラを被った光一さんだったという落ちが楽しめた曲でした。アッキーに飛びついて、セクシーな絡み。いや~チェックしておいて良かった。でも2回目に見に行った時にはすっかり忘れて、光一さんが出てくる瞬間を思いっきり見逃し、3回目にバッチリ一部始終がチェックできました。光一さんのファッションも普段しない系のカジュアルファッションで、赤シャツに腰に巻いたネルシャツ姿がとても新鮮でした。こんな学生のような若々しいファッションの光一さんが見れるのって、「銀狼怪奇ファイル」の不破耕助か「元気です!俊平」以来かしら?音楽のジャンル的には「Rock This Town」や「溺愛ロジック」同様にロカビリー系ですが、実に巧く歌われますね!