予告を見てから俄然気になっていた”ちょんぷり”・・・ラッキーなことに近所の映画館で上映するということで公開を楽しみにしていたのですが、ちゃっかり試写会にご招待頂いたので、いそいそと見に行って参りました。
公開までまだ1ヶ月もあるので、たたみます・・・。
※ ネタバレ注意 ※
JUGEMテーマ:ジャニーズ
まず、映画を見る前から、現場の雰囲気が違うな~って改めて感じてしまいました。
言うてもジェイストーム・ムービーですから、当然亮ちゃんがお目当てのお客さんばかりでして、それは当たり前だから仕方ないんですけど(あたしだってエイターですから)、なんか映画の試写会って、もっと客層広くて男性も結構多いってのが一般的なので、ここまでライブ会場みたいな雰囲気になるのもレアかな。要するに”ホームゲーム”状態での試写なので、なんだかオフ会みたいな感じでした。
同時に、やっぱりジャニーズファン以外の方からは、興味を示してもらってないのかしら?という不安も。まぁ、まだ劇場予告ぐらいしかまともな宣伝はされていないようですし、まだまだこの映画は認知されてないんでしょう。かと言って、これからどんだけ宣伝するのかも期待持てませんが・・・。
映画はですね、「ゴールデンスランバー」や「アヒルと鴨のコインロッカー」など、ローバジェットでいい作品を撮る監督さんだというので、ちょっと期待してたんです。でも、なんか明らかに足りないシーンがあるでしょ?って感じで、反対にココ要る~?ってシーンなんかもあったりして・・・。とにかく、ともさかさんの説得力のある演技がなかったら、まったく空虚な映画に終わってしまうところでした。
イケメン、子供、グルメと、鉄板ネタを3つ揃え(あと、足りないのはお色気 or 動物)、子供もいい演技(っていうか、泣き顔)してるんですけど、なんかもう少し安兵衛の背景とか、タイムスリップした経緯とか、映像で何となく伏線張れなかったのかな~。彼の人物像に厚みがないんです。もっとも、後からセリフで補填はするんですけど、なんか後付けっぽく説明がましいんで、せっかく映画にしたのなら映像でフォローできなかったのかなぁって。
あと、安兵衛が余りに戸惑い過ぎてしまっているからなのか、現代にタイムスリップしたというのに大してビックリ仰天しないんです。武士は慎み深いからなのかもしれないけど、180年もタイムスリップしたら冷静ではいられないでしょう?それが、ないんですよ。
例えばミニスカートはいてる女子に説教してみたり、信号がなかなか渡れないとか、エレベーターから降りた時に腰抜かすとか、あからさまに面白おかしいシーンを挟みこんでも良かったかな。安兵衛って人間も、随所でダメダメか、逆にもっとヒーローイックでも良かったと思うし。実はどちらのシーンも中途半端にはあるんですけど、表現に深みがないんです。
そう言えば、エンドロールで流れるプリン作ってるシーンもなかった。他のお菓子はこれでもかってほど丁寧に作ってるとこを残してるんですけど「ちょんまげぷりん」なんだから、プリン作らなくてどうするのよ!って。しかも、突然、料理やお菓子作りができるようになって、それまでダラダラ進んでたストーリーがあっという間に進んだりして・・・なんか抜けてね?って(笑)。確かに彼にはパティシエとしてのポテンシャルがあって、武士ゆえ発揮する機会がなかったとして、2010年だからこそその才能が開花したのかもしれないけど、奥向きの用はオナゴがするもの、と言っていたコテコテの武士の割には余りにも突然。
結局、人情モノにしたいのか、コメディにしたいのか、サクセスストーリーにしたいのか、なんかどれも中途半端で良く分からなかった。私が声を出して笑ったのは、子供の「これじゃあ、カッパだよ~」ってセリフと、あと、も一か所、後半のシーンであったけど忘れちゃた(笑)。でも、その2回だけ。涙は一粒も流れませんでした。多分、亮ちゃんファンの方なら泣けると思いますよ、彼が余りにもいい表情で泣くので(笑)。
子供がいなくなってしまうクダリも、彼が戸棚に隠れるのが好きだっていう伏線が微妙。冷蔵トラックがでっかい戸棚に見えるってのも、いささか苦しい(安兵衛、良く気づいたもんだ)。
亮ちゃんはサムライ然とした動きをする時の表情はいいんですけど、それだけに(演技指導のままとは言え)全体的に抑え気味なのが残念。もっと、豊かな感情表現ができる役者さんなので、もったいない気がしました。貧乏旗本のくせに毎日働かずに済んでて、お役目が欲しかったっていうのも「?」って思いますしねぇ。山田洋二3部作とか見てないのかしら?と。まぁ、原作に噛みついても仕方ないんですけど。
でも、最後の老舗の和菓子屋を訪ねるクダリはノスタルジックで素敵でしたね~。あーいう結末は、胸がジーンとして、とても好きです。
ジェイストームムービーは、もっと思い切った冒険が必要だと思います。
自社にしかできないんだから、タレントの殻を一気に破るような冒険をして欲しいです。ホリプロの「ムーンライト・ジェリーフィッシュ」みたいに。