映画「BANDAGE」試写レビュー

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JUGEMテーマ:赤西仁

 

赤西仁くん初主演作品「BANDAGE」を、ひと足お先に拝見致しましたー。

あのー、そのー、何をどうやって書いたらいいのか非常に困るのですが、この際だから正直に書かせてもらっちゃおうと思います。

別に映画製作者や、ましてや赤西仁くんを個人的に批判しようとは思っていませんので、あくまでわたくし一個人としての意見であることを大前提に受け止めて頂ければ思います。

※ 超 ネ タ バ レ 注 意 ※




※ 激 ネ タ バ レ 注 意 ※


 

まず、やっぱり映画は素人が作っちゃいけないんだよな~と感じました。

この映画のプロデュサーがどんなに著名な方か、脚本家がどんなカリスマ性を持っているか、無知ながらもとりあえずの風評は耳にしていたつもりですが、私には全くもってダメダメな映画でした。

 

音楽Pが監督した割には、ちっとも音楽に重きが置かれていないというか・・・、いや、一応はちゃんと音楽メインの映画にはなってるんですよ、薄っぺらくね。

 

90年代を描いているそうですが、それほど90年代を意識しているとも思えないし。

90年代ってバブルに象徴されたバンドブームが前半にあった反面、後半はバブル崩壊でものすごい勢いでバンドが衰退していった時代なんですよね。その振り幅たるやものすごいワケで。ブームに乗っかっただけのバンドは生き残れなかった。クラブミュージックからギターポップに音楽のメインストリームも急速に変わっていったし、この時代を描くならまさにこの浮き沈みを表現せずしてどないすんじゃ、と思うわけですが、特にそこは意識されてはおらず(苦笑)。

ましてや、映画のメインテーマである「ミクスチャー」ってやつが、一体どこでどう表現されているのかがわからないし、そもそも「ミクスチャー」って都合のいい単語は何だよ!ってね。すべてが理解できそうで、全く理解できなくて、何かファッション雑誌にありがちな、ちょっとオシャレなフレーズにうっかり騙された気がします。

 

大体バンドものの群像劇ってもんは、もはや万国共通でして「バックビート」や「ルードボーイ」みたいな半ドキュメントとか、邦画で言えば「ロッカーズ」とか「NANA」とか、「DMC」でもいいよ、この際、・・・ってな感じで、ハングリーな夢を持った若者たちが、プロになる夢を抱いて、大人に騙されながらも成功と挫折を味わい、時に恋愛や(海外ならドラッグ)友人の死なんぞをバネに、爽やかにステップアップしていくってのが王道ですよね。

言うたら、バンド映画にはそれ以上のモノは望まれていないし、原作が実話であろうがコミックであろうが、前述のような展開になっちまうのが”リアル”な「青春の1ページ」であるからこそ、撮る意味もあるし、見たいと思う人もいるんだと思うんです。かくいう私も、そういったテイストだからこそバンド映画が好きなのですが。

 

でも、「BANDAGE」にはそれがありません。

ライブシーンなんて、ほんのちょこっとしかないし、仁くんもギターとか常に楽器は傍にあるのですが、おまけに北乃きいちゃん演じるアサコに手ほどきする美しい場面もあるのですが、彼自身が楽器をバリバリ演奏するってシーンはないし、レコーディングやリハーサルの場面も、確かに場所だけはスタジオとかロフトっぽいシチュエーションで”それっぽい”んですが、大事なのはその見栄え(形)だけって感じで、演奏シーンなんかはすごく軽くてやるせないの。何の為に金子ノブアキを起用したのよ!!って感じで。

「木更津キャッツアイ」の、廃墟でリハーサルしてるシーンの方がずーっと”バンドっぺぇ~”気がしますね。
それにしても、バンドという設定の中での仁くんのポテンシャルには大いに興味があったし、ましてやRIZEのドラマーも使うってんですから、当然本格的なバンド表現を期待していたのですが、何かそれらはみんなただの飾りなんですよね。劇中のセリフにしても、音楽にしても、なんか浸透してこないんです。上っ面だけ滑って通り過ぎてく感じ。

 

奇しくもあたくしと同年代の音楽Pが作ったとは思えないほどの深みのなさには唖然とします。

展開もダラダラしてて、盛り上がるピークがないし、これはある意味岩井俊二の世界観なのかも、とも思いつつ、私の感性とは真逆にある芸術性なので見心地が悪かったです。

この映画ってカッコイイでしょー?とか、主人公に同調できたでしょ?って、押し付けられているような描き方にすら思えてきて。なんか、これが理解できない私ってダサイのかしら?と。かつて渋谷系と称された音楽を指差して笑っていた自分には侵さざるべき領域なのかも。でも、好きではなかったものの、渋谷系の存在価値は当時それなりに理解はしてましたけどね。

 

特にLANDSの楽曲がひど過ぎる。

いくら90年代だからって、ミクスチャーだからって、ヒット狙うために作った楽曲が”スカ”ってのはあり得ない。クドカンが書いたシナリオだったら、まさにここで爆笑できるけど・・・。スカって明らかに90年代には(かなり微妙な”古さ”で)カッコ悪いもん。なんと言っても、スカの全盛期は80年代初頭ですからね~。スカコア人気は90年代の終わりだから、まだ少し時間があるし、大体この曲スカコアじゃなくて純然たる「スカビート」だし。この時代にスカやっていいのは東京スカパラダイスオーケストラとLA-PPISCHだけだっちゅーの。

 

しかも、曲のタイトルが「勇気」に「元気」って(溜息)、氣志團なら全然アリだけど(実際「勇気」って曲あるし・笑)、LANDSがやっちゃダメでしょう~。

柴本幸ちゃん演じるアルミがバンドの曲をオーガナイズしているんですが、この子の口から出てくる用語ってのもエセ感が高くて思わず失笑。なんか、DMCに出てくるマルチクリエーターの高城・・・じゃなかった、アサトヒデタカみたい(笑)。ナツよりも天才肌という設定のユキヤも、それほど天才気質には見えなかったしね。ホント軽いんですよ、すべてが。

 

んじゃ、恋愛ドラマとしてはどうなの?と言うと、これまた中途半端。

ナツとユキヤの間で揺れるアサコの感情とか、北乃きいちゃんは熱演してたと思いますけど、そこまでの”熱さ”はこの映画には必要ないかも。ナツもどこまでの感情でアサコを翻弄しているのか掴みきれない、けど、ナツはこれでOKなんだと思います。

 

そして、仁くんですが・・・。彼はね、彼のままですよ。

見た目や仕草はアンニュイで、行動は我がままで強引なんだけど、実は繊細なハートを持ってる男の子って設定なので、仁くんには特に役作りも必要なかったと思います。
「BANDAGE=包帯」なので、傷つきやすい若者を表していると思うんですね。キリエちゃんも書いていた通、り象徴的にナツは白いTシャツを着ているんです。内面の脆さとか弱さを隠すようにパーカーのフードを被ってたりして。確かにそんな仁くんはカッコいいんですけど、前髪がいつも無造作に垂れていて顔が良く見えない(笑)。ただ、彼は体のシルエットも声もすごくムードがあるので、それはそのまま活かされていると思います。等身大の赤西仁は見られますけど、それ以上の彼はいなかったかな。なので、余り新鮮さはないかもしれませんね(彼のファンの方なら新しい発見があるのかもしれませんが)。

 

原作の携帯小説「グッド・ドリームス」も読んだのですが(私が事前に原作チェックするなんて本当に珍しいことです。それだけ、この作品への期待値が高かったんです)、まぁ、大人の目で見たら原作自体にも突っ込み所はあるにはありますが、若者特有の瑞々しさがほとばしっているし、バンドの追っかけ経験なんかがある方々が読んだら、きっとシンンパシーを感じる場面や展開もあって結構楽しいんですよ。バンドとしてのLANDSもしっかり描かれていて、ナツ(原作はタクヤ)とアサコ、ユキヤとアサコ、そしてLANDSのマネージャー・ユカリとドラマーのリュージの恋愛も絡んで、恋愛小説としても(まぁ、良くあるストーリー展開ではあるわけですが)女子高生向けの読み物としては、セカチューぐらい良くできていると思うんです。やっぱり、原作通りの展開で、もう少し若いキャスティングで作ったら良かったのかもな~って(キャストが弱くなるのは否めませんが)。

 

もともと、私はMr.ChildrenもMy Little Loversも好きではないというか、眼中にすら入っていない人間ではありますが、一応この監督や脚本家とは同じ時代を歩いてきているはずなんですけどね、向いている方向が違うとこんなにも違う景色を見るものなのかな~と、不思議でなりません。一緒に映画を見たミスチル信者の30代男子も、見終わったあと「?」って顔をしていましたんで、ちょっと安心したんですが。

いやはや、大変辛辣で申し訳ないのですが、この映画を観て「良かった」と思う方がいたとしたら、是非ご意見をお聞きしたいぐらいです。

 

私としては来秋公開の「BECK」の方に大いに期待したいと思います。