岡田将生くん『掟上今日子の備忘録』の世界にマッチする“薄っぺらい男”という魅力

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ドラマ視聴者にインパクトを与えるのはビジュアルと設定が強烈な掟上今日子だろう。しかし、本作の世界観を支えているのは岡田将生が演じる隠館厄介だ。 隠館は生まれてからずっと不幸が身の上に降りかかっているため、人生にいつも悲観しているというキャラクターだ。しかし、その不幸の内容は「隕石落下に巻き込まれたために志望校に受からなかった」とか「誘拐事件に巻き込まれたせいで就職試験に落ちた」といった極端な事例ばかりなので、どうにも悲壮感がない。そんな隠館と岡田の軽い演技は実に相性がいい。

岡田は現在26歳。10代の時は映画『天然コケッコー』やドラマ『オトメン(乙男)』(フジテレビ系)等で主演を務めていたが、当時は良くも悪くもイケメン俳優という枠組みに綺麗に収まっていた。転機となったのは、10年に続けて出演した映画『告白』と『悪人』だろう。『告白』では、感動的な正論を言うが中身がまったく伴っていない体育教師を、『悪人』では、実家が金持ちの軽薄な大学生を演じている。どちらも殺人鬼のようなわかりやすい悪党ではなく、どこにでもいる薄っぺらくて不快な人間だった。ともすればイメージダウンになりかねない役だったのだが、岡田はこの危険な賭けに見事勝利し、俳優として注目されるようになる。

その後は、『ST 赤と白の捜査ファイル』(日本テレビ系)などの作品で、カリスマ的な人物に振り回される普通の青年役を演じることが増えていく。いわゆる『シャーロック・ホームズ』における名探偵ホームズの助手であるワトソンの立ち位置で、今回の隠館もその流れだと言える。一方、『リーガルハイ(シーズン2)』(フジテレビ系)では、言っていることは正論なのだが、どこか胡散臭い弁護士・羽生晴樹を演じて話題となった。外見はカッコいいが、中身が薄っぺらい人間という意味ではどちらも似通っているのだが、出演作によって、平凡な青年と中身のない嫌な奴というイメージを使い分けている。

本作の隠館厄介も、決して悪い奴ではないのだが、悩んでいても悲壮感がないために、どこか鬱陶しく、むしろもっとひどい目に遭えばいいのにと思ってしまう。これは、岡田のいい意味での“薄っぺらさ”があるからだろう。この“薄っぺらさ”が笑いに転じればコメディとなるし、シリアスな作品なら不気味さが倍増する。

情報源: 岡田将生、『掟上今日子の備忘録』の世界にマッチする“薄っぺらい男”という魅力(2/2)|サイゾーウーマン