ストーリーは箱根、沼津、と各地を巡るごとに、その土地特有の「宿」が舞台として場面転換していくんです。特異な宿場町で起きたイベントがテンポ良く進んでいくのですが、箱根では「笑いの宿」、西進するにつれ「喜びの宿」→「歌の宿」→「王の宿」→そして最後の「魂の宿」と続きます。木更津キャッツアイの時のように1回の表、裏のようにキッチリと展開が区切られていて、その境界ではしりあがりさんのイラストがスクリーンに広がります。東海道を進むにつれ、だんだんとストーリーは面白おかしいだけでなく、「王の宿」あたりからはかなり気味の悪い展開となりますし、画面の中で交わされている会話や画ヅラ以上に、意外にヘヴィーなテーマが根底に流れて行きます。ただ、全編を通して訴えられているのは、やっぱり「愛」なんですよねぇ。まさに、ALL
YOU NEED IS LOVE。これほどケッタイな切り口で、これほどストレートに愛を訴える映画は今までお目にかかったことありません。「生と死」という普遍的なテーマも重要ではありますが、私はそれよりも何よりも、弥次さんと喜多さんの、そして、登場する人物たちが織り成すさまざまな形の「愛」が中核になっていると感じました。弥次さんは喜多さんだけではなくも女房のお初に対しても少し屈折した愛情を見せます。