| 「溺れる魚」の痛快な犯罪劇 by うらら |
堤幸彦作品はいつも血まみれだ。メインも含め大方のキャストがバッタバッタと死ぬ。そして、その死因は常に犯罪絡みである。おまけに、メインキャストはハミ出し者というかチャランポランというかのらりくらりというか、とにかくそんなマイペースなヤツらばかりである。こんなご時世に何てふとどきで、何て挑戦的な作品なんだ?このバイオレントな血まみれ度は「バトルロワイヤル」どころじゃない。でも、堤ワールドでセックスとドラッグはメインフィーチャーされない。ひたすらバイオレンスのみを扱う。でも、これが実に可笑しいのである。そう、とてつもなく。
堤ワールドには世界の鬼才のエキスが凝縮されている。クエンティン・タランティーノ、ヴィンセント・ギャロ、デイヴィッド・リンチ、ブライアン・デパルマ、ガイ・リッチー、スタンリー・キューブリック・・・。これに、モンキーパンチの「ルパン三世」のアニメ的要素が加味されて、実に軽快に犯罪や殺人が次々と行われていくのだ。アニメ的な手法と言って最近の映画で真っ先に思い出されるのがギャロの「バッファロー66」だ。ラストのバーのシーンで主人公の心理描写がアニメチックに描かれていたことを思い出して欲しい。これが、堤ワールドの中にふんだんに盛り込まれている。「溺れる魚」ではIZAM演じる岡部に翻弄される企業の取締役たちがとにかくアニメチックでおまけに醜い。汚いケツと堤式モザイクで覆われた陰部丸出しでモーニング娘。のダンスをする姿はとにかく汚い。しかも、それを指導する会社のOLたちもこれまた美しいとはホド遠く・・・、こういうところが実に劇画的アプローチでニクイのだ。そういえば、映画のタイトル「溺れる魚」は何となく江戸川乱歩だと思えてしまうのは自分だけだろうか?乱歩の小説もオドロオドロしいながらもどこかアニメチックだったし。
堤ワールドの特徴的な人物の描き方には、特にリンチの影響を色濃く感じる。堤氏とリンチとに最も共通すべき点はキャストに対する「マーキング」だ。リンチはカルトシリーズとして彼の地位を不動の物にしたテレビドラマシリーズ「ツインピークス」で特に目立った有名俳優は起用しなかった。どのキャストもどこかの何かで見たような気はするが、明らかに脇役ばかりであり、そのおびただしい数の「目立たない」キャストを区別するために、リンチはひとクセもふたクセもあるマーキングを施したのである。視聴者もこのマーキングのおかげで、複雑なストーリーを追いつづけることが可能になった。具体的に挙げるなら、主役のクーパー捜査官にボイスレコーダーを持たせること始まり、海賊のような眼帯をした主婦や涙もろい警官、ハワイ好きな精神科医、声のデカイ捜査官(リンチ本人が演じた)、女装癖のある捜査官、などなど。堤氏はドラマ「IWGP
池袋ウエストゲートパーク」で、リンチのこの手法をいかんなく取り入れている。風俗好きな警官、東北訛りの刑事、キングの彼女ジェシー、絵を描く少年シュウ・・・。「溺れる魚」では窪塚洋介くんに女装癖のある刑事を、渡辺謙さんには坊主頭にケロイドを、そして椎名桔平さんには宍戸錠(笑)。
キャストへのマーキング以外にも、堤ワールドには作品をまたいで共通するいくつかの重要なファクターがある。(クラッシック)ダンスを踊るイイ男、中年のオバチャンの団体、エセ新興宗教、ヤクザ、そして殺人には必ずといって銃が使用される。これらのファクターはご多分に漏れることなく、ドラマ「ケイゾク」にも登場している。もうひとつ、おもしろいのが主人公が「英雄」を持っていることである。IWGPでは、主人公のマコトが実は川崎麻世のファンで、偶然彼のロケに遭遇するという設定で本人が2度ほど登場する。そこでマコトは自分が思い描いていた「偶像」の麻世くんと現実の麻世くんとのギャップに深いショックを受けるという展開があるが、「溺れる魚」では椎名桔平がかつての日活の早撃ちガンマンシリーズでスターに君臨した宍戸錠に同様のこだわりを見せる。こうして見ると、リンチが映画"Wild
At Heart"で既にツインピークスの伏線を張り巡らしていたように、堤ワールドもまた作品同志がチェーンで結ばれているのが分かる。ひとつの作品の中だけでなく、彼の手から生み出された作品全てにこうした共通のファクターが存在していて、見るものを堤ワールドへと簡単に引きずり込んでしまう。見ているものは「あー、またコレだ」と堤氏が描くファクターを見つけては悦に入るのだ。逆にいえば、似て非なる作品に出くわしたとて堤ワールドのファクターを熟知していれば「似てるけど、これは堤さんじゃな〜い」と一発で間違い探しが可能となる。まさにカルトをカルトせしめる要因なのである。
もうひとつ「殺人」に関していえば、必ず生き返る(というか元々死んでない)キャストがいる。「IWGP」ではキングが、「ケイゾク」では真山が、そして「溺れる魚」では白州がそうだった。メインキャスト以外は、みんな頭を吹っ飛ばされたり、首を跳ねられたり、車に引き摺られたり、と凄惨な死に方をする。まるで「殺される」という種類の死に方では「まともには死ねない」ことを物語っているように。キャストのほとんどが殺され尽くしてしまう辺りは、日本のミステリー界の巨匠、横溝正史を彷彿とさせる。「溺れる魚」を見て殺人に興味を持つ人はまずいないだろう。それは、ルパン三世を見た後で実際にルーブル美術館から美術品を盗もうと思う人がいないのと同じなのだ(と願う)。そう、言うなれば現実からひとつ上の(というか横の、といった方が適当か。ジェスチャーゲームで言う「置いといて」のアクションと同じだと思って欲しいレベルに堤ワールドは存在しているからなのだ。
「溺れる魚」を大いに楽しめる人は、人生をも大いに楽しめる。これ、間違いナシ!
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| 「溺れる魚」に溺れる訳 by キリエ |
私はキンキキッズのドラマを通して堤さんの作品の魅力と個性にはまったのだが、その映像のインパクトも然る事ながら音楽にもハマった。「溺れる魚」の挿入歌やBGM音楽も同様に彼の映像にとって大きな存在感を持っている。そして私も堤さんの作風にデイヴィッド・リンチやタランティーノとの共通点を指摘せずにはいられない。
リンチはバルセロナ・オリンピックの開会式の音楽も担当したアンジェロ・バダラメンティという前進的な作曲家をコラボレイターに持つ。バダラメンティのアルバムは、ツインピークスの2枚のサントラとツインピークスの主題歌を歌った女性シンガー、ジューリー・クルーズのソロアルバムやリンチの映画「ブルー・ヴェルヴェット」、カンヌでグランプリに輝いた作品「ワイルド・アット・ハート」等で異彩を放っていた。堤さんの作品で音楽を手がけている見岳章氏は日本が生んだカルトバンド「一風堂」の創始者で、金田一以来堤監督とコンビを組んでいるらしい。この映画で好演しているIZAMくんが率いるSHAZNAがカバーしてヒットした「♪すみれ、September Love」はこの一風堂が生んだ代表曲だ。また一風堂はイギリスの元祖ビジュアルバンドJAPANとのコラボレーションでも有名だった。堤&見岳のタイアップは、リンチ&バダラメンティのタイアップ並みに強靭だ。
リンチは彼のデビュー作である「イレイザー・ヘッド」以来、クラブの「ステージ(舞台)」や「暗幕」というモチーフに執着してきた。ステージ上で歌を歌うシンガーや登場人物は奇々怪々で、「溺れる魚」も同様にクラブでのパフォーマー達のコミカルな存在やステージ上で展開されるイベントにもリンチとの共通点が伺えた。例えば椎名桔平さんが宍戸錠を歌う時、「ワイルド・アット・ハート」でニコラス・ケイジがエルビスを歌いだすシーンを呼び起こしたように。
堤さんがバンド活動をしているというのは実に納得が行く話だが、一方のリンチは逆にバンドや音楽を操れる才能にコンプレックスや憧れを感じているのではあるまいかと私は想像している。リンチの作品には必ずミュージシャンのキャスティングがあって、「デューン(砂の惑星)」のスティング、「ツインピークス(ローラパーマー最後の7日間)」ではデイヴィッド・ボウイやクリス・アイザックが起用されている。「溺れる魚」のIZAMくんや「ケイゾク」の野口五郎さんはコレに匹敵するような気がした。
次に堤さんの作り出す映像から連想させるのが、オランダのフォトグラファーである(ハーレム掲示板でおなじみのmikimikiさんが名前を思い出させてくれた)アントン・コービンだ。彼は主に音楽雑誌で80年代に突如としてヨーロッパで脚光を浴びた写真家で、数々のバンドのプロモーションヴィデオを手がけた人でもある。アントンが撮ってキレイに写らない人はいないと思えるほど、彼の写真は被写体の一番美しいところ、ドラマチックな所を惹き出せる魔術を持つ。堤さんも同様で、彼が撮る人は誰でもクールでカッコよく見えるから摩訶不思議だ。
堤さんの斬新な映像は時にアンバランスにバランスが取れていて、被写体をあらゆるアングルから捉え、しかも写し出される誰もがとても美しい。もともと美しい人は時に超常的とも思える程だ。もし堤さんに出会えたら訊きたい事は山ほどあるが、くだらないけど素朴な疑問も投げかけてみたい。「堤さんがキレイに撮れない人っていますか?」
IWGPでもその存在感とオーラで見る者を圧倒した渡辺謙さんが全身で登場する場面は少なく、パズルのように切り取られた顔の一部だけのショットや顔以外しか写らないような斬新なショットはむしろ彼の存在や露出を効果的に引き立てていた。(見えないものほど見たくなるものだから。)
決して堤さんの手法を誰かと結びつける事を目的としている訳ではないので誤解しないで欲しいのだが、こうしてこじつけたくなる程、自分が今まで支持してきた人達の世界観と同じ匂いがするという事を述べたいのに過ぎない。もちろん堤さんには彼独特のオリジナリティーや手法があって、だからこそ私は完璧に彼の作品に手放しで溺れている。
ストーリーはどこか滑稽で社会風刺的なメッセージを強く放っている。しかしその風刺は押し着せがましくなく、あくまでもコミカルに打ち出されている。そういったシーンでは「笑う」というよりはむしろ「失笑」に近い。例によって暴力や銃撃戦の描写やその頻度が社会問題視されてしまうのだろうが、ヴァイオレンスがタランティーノの作品に欠かせないように、彼の作品からも欠かせない。いかなる芸術にも「死」のテーマは欠かせない。
脇を固める渋い堤作品の常連キャストもニクイ。伊武雅刀さん、白竜さん、IWGPでお馴染みのヒロシさんもちょい役で登場、穂積ぺぺさんや方言役者の前原一輝さんやオタクを演じたら天下一品の村杉蝉之介さん等がそれぞれ独特の個性でストーリーにヴィヴィッドな色を添えている。主役の椎名桔平さんと窪塚洋介くんのコンビネーションは絶妙で、アンダーカバーのゲイカップルの設定はエンターテイニングだ。窪塚くんの女装は期待したほど似合ってなくてホっとした。彼は女装していない時の方がよっぽど中性的でセクシーだと感じた。この2人に関してそれぞれ演技力をここで誉めたりするのは、まるでピカソに絵が上手いですね、とか、ルチアーノ・パバロッティーに歌が上手いですよねと言うようなモノなので敢えて取り上げない。
2001年3月2日で上映が終了してしまうので、是非それまでに映画館で見て欲しい作品です。
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| イイ男がシャワーのように降ってくる「池袋ウエストゲートパーク」 by うらら |
トキオの長瀬くんが主演した話題作「池袋ウエストゲートパーク」は、もちろん皆さん見ていましたよね。毎週放送翌日の新聞等のコラム欄では、マコトが知ったら「うっせーよ」とひと蹴りで片付けたくなるであろう酷評を浴びていましたが・・・。こういう人たちって「映像表現」だけしか見ていない人が多すぎる!そのウラに隠されたメッセージとかシャレなんて全く理解してないし、そんなにイイコちゃんぶるんならもう見るな、と言いたいっすよねぇ。文句言う為にわざわざ見てるみたいなんだもん。シャクに触るよな、全く。
で、この番組の見どころを私なりに復習してみました。ビデオや再放送を見る時にもう一度チェックすれば、より面白くなるコト間違いナシ!でも、決して「少年犯罪」を推奨しているワケではありませんので誤解しないで下さいね。
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ストーリー
とにかく、アニメやコミックをそのまま実写表現したかのような映像とストーリー展開でした。いわゆる「チーマー」の争いを少し非現実的に描いた内容ではありましたが、光子(加藤あい)が多重人格という社会の歪みを描いたり、マコトの母ちゃん(森下愛子)が宗教的な(まるでライフ・スペース!)ネズミ講にハマったり、マサ(佐藤降太)が援助交際の相手にダマされたり、政治家の収賄等々、現代社会で実際に起きている問題を真っ向から取り上げた秀逸した作品でした。そりゃ多少の暴力的な表現や、若者が殺されたりといった残酷なシーンもありましたが、それを問題視する世の中のお母さんたちが、セックス絡みの映像バリバリで、人がバッタバッタ死んでいく火曜サス○ンス劇場見たり、ワイドショーで人が中傷したり、迷惑がるのをゴリ押しして取材する様を見てるのとを較べたら、ずーっと健全だと思うんですけどねぇ〜。
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イカした照明・カメラアングル
照明は実に芸術的でしたね。特に西口広場の夕暮れのシーンは、すごく深いセピアがかったオレンジ色で印象的でした。おそらく彩色していると思うんのですが・・・。ありゃ自然に出る色じゃナイですよ。それと全体的には暗い夜のネオンのイメージだと思うのですが、赤や緑といった実生活ではもちろん、他のドラマでは到底考えられない照明を使用していて、緊迫したシーンでの効果を高めていましたね。こういうディーテールは映画のような雰囲気があってメッチャかっこイイ!
カメラアングルもどこか劇画的で、アニメやコミックのような角度や画面構成が多く、非常に動きがあるというか、表情豊かなアングルが多用されていました。例えば、立っているキャストを足元から撮る、あるいは頭のてっぺんの方から撮るといった奥行きのマジックや、画面のハシから顔がハミ出てたり、顔が半分縦割りになってるなんてのはしょっ中。まっ暗で良く見えないなんてのもありました。イカすぜ〜。
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イイ男づくしのキャスティング
★マコト
文句ナシのイイ男。長瀬くんのパーソナリティとダブってると思いませんか?「メンドくせ〜」というカレのホンネが、黙って見過ごせない性格を物語っていました。母親を「ババァ」と呼ぶ事がしきりに新聞のコラムでも問題提起されていましたが、決して蔑んで「ババァ」と言っているのではなく、あーいう愛情がこもった親子のコミニュケーションって全然アリでしょう。でも、やっぱマコトってイ○ポだったのかな〜?
★マサ
いつもマコトといる割には地味なキャストでしたけど、佐藤降太くんは他のドラマに出てたらかなりイイ感じで2の線の役が取れるルックスしてますよ。一番人間っぽくて本当に居そうな役だと思いませんか?マサの「ヤッベェ〜」っていう枕詞が、個人的にはけっこう気に入ってました。
★キング
天下一品!ベストキャスティングでした!窪塚くんの演技は広末涼子ちゃんが主演した月9の「リップスティック」を見た時から注目していて、作家の妹尾河童さんの「少年H」がドラマ化された時に、戦時中入隊を拒否して自殺する役どころを上手く演じていたのを見て「引き出しの多い役者だなぁ」と感心していたのですが、このIWGPでも彼は大炸裂していましたね。「〜ナリ」というセリフやジェシーとの絡み、オースティン・パワーズなみの笑顔に、差された指をナメちゃう振る舞い・・・etc.私にしてみれば、すべてが窪塚くんのアドリブに見えて仕方なかったっス。あれほどドップリと役に浸れる役者魂持ってる人って貴重ですよ。
彼が京一と対決する前にマコトに言ったセリフ「オレは死にますん」は名ゼリフ。
★ドーベルマン山井
加藤あい扮する光子に翻弄される役どころでしたが、最初はなんかキモかった彼も後半に入り頻繁にクローズアップされてきたら「アラ〜、イイ男じゃなーい?」というほとばしりが感じられました。坂口憲二くんのお父さんは格闘家だそうで、どうりで体格イイはずですわ。イイ男指数は五つ星!
★京一
異色のキャストですよねぇ、カレ。あまり演技はうまいとは言えなかったところを見ると、本業は舞踏家なんでしょうか?ちょっと赤坂晃くんっぽい感じで、アングラなイイ男でした。オカマじゃないといいんだけど・・・。
★羽沢組のサル
マコトの中学からの友人という設定で、要所要所で登場する比較的地味な役だった妻夫木聡くんは、モデルとしてもこのドラマの後にファッション雑誌の表紙を飾っていましたね。少し小柄な彼ですが、かなり(イヤ相当)イイ男でしたなー。
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ニクイ小道具・演出
回数表示
第一回が「いちごの巻」、第二回が「にんじん」・・・と数に引っ掛けた回数表示もユニークでした。そして、七回、八回には80年代に一世を風靡した漫才コンビ"B&B"の洋七さんと洋八さんを出すところなんか相当ニクイっす!
マコトの着メロ
ピーター・フォンダ主演の映画「イージーライダー」の挿入曲としてステッペンウルフが大ヒットさせた不朽のロックンロール・ナンバー「Born
to be Wild (日本題:ワイルドで行こう!、だってダサッ。)」なんてチラっと長瀬くんの音楽性が覗いたりして来ません?
永ちゃんのポスター
マコトの部屋と家のトイレの前に張られた矢沢永吉の70年代の面影を映すでっかいポスターは、池袋の土臭さを感じましたね。リーゼントの永ちゃんは当時「不良のヒーロー」でしたのよ。今じゃヒトの良さそうなオッサンになっちゃいましたけど。
やきそば
やきそばはウマイよねぇ〜。みんな好きだよねぇ〜?私も大好き。でも毎日は・・・。マコトがどこに行ってもやきそばを注文するところは、ちょっぴり子供っぽかったりなんかしてカワイイよね。だって、この番組見終わると必ずやきそば食べたくなっちゃうもの。
ラーメン屋
にんじんの回で、マコトが渡辺謙演じる横山刑事とラーメン屋で話しをするシーン。ラーメン屋のオヤジがいちいち「麺は固めがイイのかとか、玉子は入れるのか」といったオプションの注文を取るのが、いかにもありそうでオカシイっすよね。
ボーリング
マサのバイト先でもあり、マコトの唯一の収入源でもあるボーリング。みんながたむろするのも、横山刑事に初めて出会ったのも、このボーリング場でしたね。この設定は絶対に、映画「バッファロー66」からインスパイアされていると思うんですよねぇ。目の付け所が良過ぎだぜぇ。
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| 「池袋ウエストゲートパーク」考 by キリエ |
私は、埼玉県の入り口である池袋の女子高に通っていたので、池袋のダウンサイドな部分は、嫌悪感しかなかった。卒業してからも池袋を懐かしいと思ったこともなく、あそこは風俗やテレクラが、未成年者がショッピングするようなファンシーなキャラクターショップなんかの隣に平気で連立したりする、節操もレイアウト感覚もない無神経な街だぐらいにしか思っていなかった。
しかし、このドラマがそんな私の概念を崩し、池袋をオルターネティブでロックンロールな街に変えてしまった。まるでポートランドやシアトルの夜、ニューヨークのイーストビレッジやロンドンのソーホーに匹敵するのような妖しい魅力が潜む街に変えてしまったのだ。さすがは堤幸彦!彼は普段なんの変哲も無い、だだっ広いだけの工業都市であった千葉県幕張市を「未満都市」で最大限に活かし、あんなにカッコイイ映像を撮った人だ。その彼が池袋を撮るとあ〜もカッコよくなっちゃうんだ、と感心せずにはいられない。
この堤幸彦という方については、正直なんの知識も無い。また敢えて探ろうともしない。だってもし彼が、尊敬する映画監督は?とか聞かれた時に、私の期待に外れた名前が出てきたらショックだから。私は彼に、「マーティン・スコーセッシ(タクシードライバー、ケープフィアー)、デイビッド・リンチ(エレファントマン、ツインピークス)、ブライアン・デパルマ(アンタッチャブルズ、殺しのドレス)」って応えて欲しい。彼の手法は、洋楽のプロモーションビデオ監督にも似ている、たとえば、ネバーナ(Nirvana)のハートシェイプド・ボックスのプロモビデオで有名なオランダ人、アントン・コービヨン(ごめんなさい、発音がよくわからない!?)。彼もまたダークでアングルの鋭い、斬新で芸術的な映像を撮る人物だ。
そして、キャスティングがなんたって良かった。もう全員がその役をする為に生まれたかのような、キャスティングに恐れ入った。次から次へと雪崩のように隙間無くイイ男が押し寄せ、週に一回、目の洗浄をしてくれた。長瀬くんのマコトは演技してるとは思えないホド彼にピッタリの役だった。私はやっぱり彼には、チンピラっぽい役が一番合ってると思う。岡田くんとやったDXDもそうだったけど、あ〜いう役の彼が一番活きると思う。「リング」とかの気取った役は、私にはどうもピンとこない。彼はやっぱりスピード感に溢れ、ワイルドでアクションっぽく分りやすいキャラクターが合ってる。最近すたり気味だった野球帽も、きっと彼のおかげで売上が伸びたんじゃないでしょうか?メーカーから聞いた話ですが、以前彼がメンズノンノでスーツのモデルをした時も、ホストさんたちがこぞってそれを買いにきたらしいですから…。
その他の絶妙なキャスティングは、メントレでおなじみのヒロシさんが風俗マニアの警官で好演、ラブラブがらみでキンキとハワイに行ってから、芸能界復帰を決めたという吉田拓郎夫人の森下愛子さんのマコトの母役も実にはまり役だった。そして、渡辺謙さん。いや〜何歳になってもいい男はいい男。若いモンに負けず美しかった。
その他の脇役陣も細かい丁寧な個性を備えていて、東北弁の刑事さんや謎のイケテるイラン人のアリそして彼が唱える意味が無いような有るような詩、オタクっぽいコンピューターハッカー、山Pが好演した自閉症気味なシュウなどなどがテンコ盛で一瞬も気が抜けなかった。個人的な意見として、私はマコトの次に山井がお気に入りでした。インパクトあったし、ヒゲもカッコイイし。目の鋭さや体型もセクシーで、彼は海外でも活躍できそう!目指せ!松田優作!みたいで。勿論言うまでもなく、キングも京一も光子も妖艶で美しかった。
私が見てきた堤氏の作品は、アウトドアなストリートシーンが多いように見受けられる。そしてストーリーは、相対するコントラストが織り込まれていて非常に興味深い。例えて上げるなら、シューリアリズムとリアリズム、愛とバイオレンス、若さと老い、美と醜、権力と無邪気さ、生と死。非道なバイオレンスの中にも愛があって、権力や体制に闘う無邪気な反逆精神があったり。今の時代が時代なだけに、彼の打ち出すバイオレントなキャラクターや映像に神経質になる立場の人たちが多いのも十分理解するが、それを単に暴力的だとか不道徳だとは、私は感じない。
エンディングでは、マコトが顔を腫らし、血を流した事によって暴力を魅惑的な空想から痛みやダメージを伴う現実的な世界として描いた。原作を読んでないので分らないが、続編があるなら世論に負けずに又やって欲しい。
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